「日本の恥」国立大学の学長

『元病院長でもある国立大学の学長は国のPCR検査抑制方針を「日本の恥」と痛烈に批判』とニュースになっています。コロナ騒動は、いろいろユニークな人を登場させます。

 

現時点でPCR検査を受けた人は19万人。検査件数は30万件以上になります。日本人の650人に1人が1回以上のPCR検査を受けています。尚、日本でおこなわれているPCR検査は、韓国方式の”なんちゃってPCR検査”ではありません。検査技師さんがきちんと時間と手間を掛けておこなう正規の検査です。このデータを無駄にすることこそが「日本の恥」です。

 

日本の恥:山梨大学学長
日本の恥:山梨大学学長

新型コロナ騒動では、”コロナの嬢王”にはじまって、”なんとかダスクリニックの院長”とか、不思議なキャラクターの人物が登場します。今度は、国立大学の学長先生です。

 

ものづくりでは、検査結果という資源はとても貴重で大事なものです。無駄に使い捨てにすることはありません。

私が関わっていた大量生産する無機化学品の製造業でも、一つ一つのデータはとても大事に扱います。生産仕様、製造条件、原材料やサンプリングのタイミングなどを検討して、貴重な情報を得ることができます。いたずらに検査の数を重ねることはありません。

良い品を作るには、良い考えと良い工程が必要です。極論をするならば、検査をしないことが良い製品を作っている証になります。検査はものづくりでは無駄とされます。

 

医療に係る検査であり、データ一つ一つが人間・患者さんから得たものです。

何度かこのブログにも書きましたが、これだけの検査数(なんと30万件です)を重ねて、評価ができていないことが信じられません。それぞれのデータが出た背景を分析して、評価することが専門家には求められます。一つのデータが、そのときの一人の患者さんの状況を表すのです。マスコミ向けグラフを作るためだけに膨大な国費を投入しているわけではないでしょう。

 

PCR検査の結果は感染者数を表していません。今になっても、間違っている人がいます。検査した時点で患者が保有している新型コロナウイルスの量の多寡がわかる検査です。また、新型コロナウイルス以外の病原体への感染を知ることもできません。

 

PCR検査は主として肺炎状の症状がある患者と陽性者と濃厚接触が疑われる人が受けます。肺炎の有症状の患者はPCR検査陰性でも、それ以外の検査と治療を受けることになります。新型コロナ感染症の特徴を知るには、陰性者の追跡が重要なことは当然です。また、濃厚接触者にもいろいろな条件がありますから、分析をしなければなりません。

 

工場でも、検査(データ)を軽んじる人はいます。思っていたようなデータでなければ、すぐに再サンプリングとか再測定を指示するような人までおります。こんな人たちに、いくらたくさんのデータを与えても役に立ちません。

 

そんな学長先生も、インタビューでちょっとだけ本質に近いことを言っています。

「新型コロナを診断する唯一の方法がPCR検査だ。やらないと風邪と区別がつかない。」

 

肺炎は死亡リスクの高い、主として高齢者に死を招く病気です。肺炎という症状は同じでも、原因には何十種類もあります。新型コロナウイルスは数ある肺炎の原因物質の一つです。

さて、今日現在の厚労省発表では、新型コロナ肺炎陽性で死亡した人は80歳以上が219人で80歳未満が168人です。これ以上のデータが公表されていないので平均値も中央値も判りません。昨年の実績で肺炎で死亡した人の平均年齢が85.1歳でしたから、新型コロナ肺炎のほうが多少若いかも知れません。

この場合は、新型コロナ肺炎に何かの特徴があることが想起されます。

一方で、しっかり評価できていないので、単なる誤差の可能性もあります。その場合には、新型コロナ感染症の登場は、日本人の死亡数の総和に影響しないという結論もありそうです。