政治家の意思決定。最大多数の最大幸福

18世紀にイギリスの哲学者ベンサムによって提唱された倫理理論が「功利主義」です。

 

功利主義は現代の政治家の意思決定に影響を与えています。功利主義には4つの特徴があります。第一に行為の結果を重視する「帰結主義」、第二に人々の幸福を重視する「幸福主義」、第三に最大多数の最大幸福として知られる「総和主義」、第四に一人を一人以上には数えない「公平性」です。


トロリー問題(功利主義)
トロリー問題(功利主義)

上の絵をみてください。功利主義と言えば「トロリー(路面電車)問題」です。

”トロリー(路面電車)が暴走しています。何もしなければ、線路に縛り付けられた五人の人々

はひき殺されます。もしわたしがポイントを切り替えて、トロリーを別の線路に引き入れれば、五人は助かります。ただし、別の線路に縛り付けられている一人がひき殺されることになります。わたしはスイッチを切り替えるべきでしょうか。”

 

皆さんの意思決定はいかがでしょうか?

「引き殺される人数が少ないから自分がポイントを切り替える」と決定しますか?

それとも、「5人がひき殺されるのは自分の責任ではない。しかし、ポイントを切り替えてひき殺される1人は自分が殺すことになる。」と呆然と見送りますか?


もう一度同じ絵です。

トロリー問題(功利主義)
トロリー問題(功利主義)

トロリー問題には、「引き殺される人数が少ないから自分がポイントを切り替える」と意思決定した人に続きがあります。

 

”トロリー(路面電車)が暴走しています。何もしなければ、線路に縛り付けられた五人の人々

はひき殺されます。もしわたしがポイントを切り替えて、トロリーを別の線路に引き入れれば、五人は助かります。ただし、別の線路に縛り付けられている一人がひき殺されることになります。その一人はわたしの家族です。わたしはスイッチを切り替えるべきでしょうか。”

 


功利主義は、新型コロナ感染症のような事態における意思決定にも基準になります。