既往症のある会社に止めを刺すコロナ:倒産100件超え

新型コロナウイルスに限らず、肺炎は既往症があって弱っている人に止めを刺す病気です。

 

企業も同じで、何かの事情で経営体力を弱めていた会社がコロナ緊急事態宣言で止めを刺されて倒産に至ります。もちろん、新型コロナウイルス感染によるリスクがあるのかないのかわからないまま緊急事態を続けるというのは理解ができません。それでも、とにかく経営者は自分の会社をどうやって守るかを真剣に考えて行動しなければなりません。

 

2020年4月30日現在のコロナ関連倒産件数
2020年4月30日現在のコロナ関連倒産件数

上の画像は東京商工リサーチのwebサイトからです。負債総額1000万円以上のコロナ関連での経営破綻件数を示しています。2月2件、3月23件、4月は84件で合計109件です。

 

緊急事態宣言による社会封鎖を5月末まで延長する動きです。5月の経営破綻がいったい何件になるのかは想像することが難しいです。コロナウイルス感染爆発の可能性はなくとも、コロナ関連破綻爆発は間違いなくおきます。

 

4月末までの内訳は、宿泊業が24件、飲食業が15件、アパレル関連が10件、が目立ちますが、4月後半に入って製造業にも経営破綻が出てきました。製造業の経営破綻となると負債額も大きくなり、すそ野が広がって影響が出る人数も増えてきます。

 

リーマンショックのときは、投資会社、生保、貸金業の破綻からはじまって、不動産業を仲介して製造業という流れでした。一般の人からみれば、遠いところから身近なところに破綻の波が近づいてきました。

今回のコロナは、逆ルートをたどります。身近にあったお店が閉店して、よく知っているおじちゃんやおばちゃん、おにいちゃんやおねえさんが失業します。社会不安が一層拡大します。

 

都道府県別では、東京都25件、北海道11件、大阪府と静岡県7件、兵庫県6件、愛知県と新潟県が5件です。尚、山口県の2件はいずれも宿泊業(観光ホテル)です。

コロナ感染症と同じく都市部で経営破綻件数が伸びています。会社の数が多いので当然です。しかし、今後の会社の経営破綻の影響は地方でより深刻になります。負債が1000万円に満たないようなお店の廃業が、少子高齢化に悩む地方では生活そのものを壊します。

 

現時点で中小企業の1/3は債務超過です。これでも、毎年減ってきていたのです。

勝手に試算すると、5月末まで緊急事態宣言を続ければ、年末までに中小企業だけでも60万社が経営破綻して、600万人が職を失う可能性があります。  

 

大規模災害時に「生命を守る行動をとる」ようにアナウンスがありますが、経営者は「会社を守る行動をとる」ようにしてください。どうすればいいかを、この欄であからさまに書くことには差し障りがありますが、自らの力で”会社”を守る!に集中するのです。