楠町のカラーマンホールとキハニ51

旧厚狭郡楠町(あさぐん・くすのきちょう)は2004年に宇部市と合併しました。

 

昔は現在の宇部市と山陽小野田市に下関市の東部を加えた範囲が厚狭郡でした。明治初年には郡内に56の村がありました。明治12年に新しい行政区画法ができ、船木村に厚狭郡の郡役所が設置されます。1955年に船木村(当時は船木町)が万倉村、吉部村と合併して楠町になります。2004年に厚狭郡で最後に残っていた楠町が宇部市と合併して厚狭郡は消滅しました。

 

楠町のカラーマンホール
楠町のカラーマンホール

厚狭郡と楠町が消滅してから足掛け17年になるわけですが、たまたま楠町のカラーマンホールを見つけました。

町章を真ん中にして、楠(くすのき)がどっしりとあり、周りにツツジが配されるというデザインです。なかなか立派なデザインのように思います。

 

合併によって旧郡名や町村名が無くなったのは、ちょっと残念です。マンホールの蓋も、そのうち置き換わっていって、町村名なども忘れられてしまうことがあるかもしれません。

住所表示の変更などもあって、旧町名が無くなることもしばしばあります。

 

弊社の「西宇部南」という住所も、西なのか南なのかはっきりしないです。西宇部はありますが、東宇部とか南宇部とかはありません。

西宇部南は元は「際波(きわなみ)」という地名でした。ちょっと雅な感じです。この辺りは干拓された埋め立て地なのですが、それ以前には海岸線だったわけです。

 

ところで、JR山陽本線の宇部駅はここ西宇部にあります。

キハニ51
キハニ51

宇部駅から出発して、旧楠町の船木・万倉を経由して吉部駅を終点とする船木鉄道というのがありました。

大正5年に宇部~船木間が開業して、昭和元年に宇部~吉部間が運航開始しました。人だけでなく貨物輸送や炭鉱からの石炭輸送などでも活躍しました。

しかし、炭鉱の閉山や自動車(バス)輸送に置き換わっていったことから昭和36年に廃業しています。

 

そのときに使われいたキハニ51という車両が、京都府の加悦鉄道(かやてつどう)に引き継がれていきました。この加悦鉄道も昭和60年に廃業したのですが、車両が加悦鉄道資料館に保管されています。

この加悦鉄道資料館が今年の3月で閉館することが発表されています。このキハニ51を宇部に持ち帰りたいという人がいるのですが、成就するといいなぁと思っています。

 

☞ NPO法人加悦鉄道保存会 Webサイト