新型コロナ終息後にM&Aが活発になる

新型コロナ感染症をきっかけにして、事業譲渡を考える経営者は相当数ありそうです。

 

日本のM&Aは、強い買い手は一定数あるのですが、売り手が不足して、なかなかまとまらないというのが実態です。今回の新型コロナ感染症は、売り手が増えるきっかけになる可能性があります。不測の事態を受けて事業業績が実際に悪化したり、懸念を持ったりした経営者のなかには、将来のリスクを考えて事業譲渡を考える会社があると思います。

 

会社
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一般に経営者が事業譲渡を考える最も多いケースは適当な後継者がいないことです。

現在では、少々高齢のとなった経営者でも元気であれば経営を続けようとする場合も多くあります。

しかし、死ぬまで仕事をして生活を楽しまないのも残念です。元気なうちに好きな場所に転居してセカンドライフを楽しむ時間があるほうがいいです。後継者がいなければ、第三者に事業譲渡することは考えられます。

 

次に多いのは、経営者が別にやりたい事業があるような場合です。

今やっている仕事とは違う新しいビジネスに進出したいとか、新しいジャンルの商品を開発したといったことです。既存の事業の範囲で実行することができればいいのですが、資金が不足するようなら、事業譲渡をして資金を調達することは考えられます。特にシナジー効果が薄いような全く新規の事業に乗り出すような場合です。

 

三つ目は、経営者が自らの力に限界を感じて、事業の将来性に不安を持っている場合です。

ここまで育ててきた会社ですが、次のステージにステップアップさせて、持続的に成長させるには自分の力だけでは足りないという自覚ができたわけです。不採算部門を切り離すという事業譲渡もあるでしょうし、譲受企業との新しいシナジー効果によって事業を再生できると見込んでの事業譲渡も考えられます。

 

さて、今回の新型コロナ感染症騒動をきっかけにして、自分の会社の弱みや脆さを実感する経営者は多いと思います。そうなれば、力がある他の会社に事業を譲渡することを考えるのは当然です。新しい相互作用が両者の間に生まれることで、事業の持続的発展が見込まれることがあります。

 

中小企業・小規模事業者のM&Aは、これからの一定期間活発になると思います。時期的には、新型コロナの感染者増加が頭を打ってから半年後から始まって、1~2年の間だと思われます。

今年(2020年)年末から2022年いっぱいが重要な時期になりそうです。