新型コロナ、終息した後のことも考えておこう

以前の新型インフルエンザが終息したとき、市場には大量のマスクが売れ残りました。

 

2009年5月に日本での新型インフルエンザ感染拡大が始まりました。メキシコなど北米で流行していたものですが、カナダから日本に持ち帰った学生さんが最初の感染者です。その後、2010年1月までに国内で200人余りがこの新型インフルエンザ感染で亡くなったと言われています。結果的に既存のインフルエンザと同じ程度の強さ(強毒性ではない)とされました。

 

マスク
マスク

この2009年の新型インフルエンザで高機能マスクというが広く普及したと思います。それまでのマスクは、比較的簡易なもので、平型のものが主流でした。

この2009年頃から立体的で高機能なマスクが市場に増えてきました。なかには0.3μmの粒子を95%以上捕捉するというN95のように、目が細かすぎて、よほど強い肺機能を持つ人しか呼吸を続けられないようなマスクまで普及しました。

 

私の関係していた会社では、このマスクの生産を急ピッチで準備して開始しました。高機能マスクは価格も高いので大きな利益を見込みました。工場を借りて、設備投資をして、人員を募集して生産開始です。生産のピークは9月に入ってからになりましたが、この頃には毒性は既存のインフルエンザと大して変わらないということになりました。結果として、せっかく作った大量のマスクが売り残るということになりました。

 

同じようなことがインフルエンザ治療薬でも起こり、大増産されたタミフルなどの治療薬が大量に余ることになりました。当時、タミフルはスイスの某製薬会社が提供していたもので、新型インフルエンザのキャンペーンにはこの製薬会社が裏で暗躍していたと噂されています。

 

さて、今回の新型コロナウィルスがこれからどう進むかは不明です。

しかし、意外に早くに終息する可能性もあります。マスクを大量仕入れしているような事業者さんはいないと思いますが、現状がずっと続くわけはありません。終息するときも突然にやってきますから、十分な注意が必要です。

 

ちなみに、先の会社で売れ残った数十万枚のマスクは、2011年3月の東日本大震災の際に、いち早く在庫の全量を福島県の被災地に寄付されました。感謝状とお礼の手紙が残りましたから、悪い事ばかりではありません。

※今回は、増産したマスクが売れ残ったら政府が全て買い上げることになっています。

 

新型コロナウィルス死亡例(日本6人 2020.3.3)
新型コロナウィルス死亡例(日本6人 2020.3.3)