BCPは災害事象からではなく機能喪失から考える

新型コロナウィルスは事業継続に支障が出る可能性がある不測の事態です。

 

BCP策定をする場合に、不測の事態の側から考え始めると不具合が生じます。BCPを考えるときは、不測の事態ではなく、会社の機能喪失(あるいは損傷)から考えていくとよいです。新型コロナウィルスの脅威など不測の事態を予め予想できなくとも、機能喪失の側であれば対処を考えることができます。

 

コロナウィルス
コロナウィルス

不測の事態というのは想定外の事態ということです。想定外の事態を想定してBCP(事業継続計画)を立てるというのでは、矛盾しています。

そこで、どんな事態があったとしても会社が事業を継続するうえで必要な機能が喪失あるいは損傷したらどう対処するかという計画を予め持っておくというわけです。

 

会社の機能としては、ヒト・モノ・カネ・情報の4つを考えるのが一般的です。

 

「ヒト」 会社の機能で最も大切なのは人です。特に人命や安全は最重要ですから、不足の事態が起こった場合には最優先で守らなければなりません。

 

不測の事態が起こったために、従業員の25%が出勤できなくなったらどうするか? これが50%だったらどうするか?ということを予め考えておくのがBCPです。

出勤できなくなる理由は、新型コロナウィルスでも自然災害でも、交通遮断など、その他の理由でも構いません。とにかく人が揃わないときにどう対処するかを計画します。

また、会社が事業を継続するには、人数だけでなく。この人がいなければできないというキーパーソンがいます。例えば有資格者などですが、その人が急に仕事が出来なくなった場合にどうするかを考えておくのがBCPです。

 

「モノ」の場合も同じです。

 

例えば、建物が破損して使えなくなったときどうするかを考えます。停電したら、断水したら、ガスが止まったらどうしましょうか。

設備では、重要な機械が使えなくなったらどうするかを考えます。もし壊れてしまって、もう復旧できないならどうしましょうか。

原材料が急に入荷しなくなったらどうするか、資材の場合はどうか、と考えていくわけです。

 

「カネ」の場合なら、当てにしていた入金が入らなかったらどうしましょう。

「情報」の場合なら、極端ですが、当社から秘密情報が漏れたらどうしますか。

 

このように機能面から不測の事態を予想して、予め対策を検討することがBCPの要です。