テレワークで家内制手工業時代に戻るか?

テレワークは、「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語です。

 

まぁ、中小企業診断士も一種のテレワーカーと言えるかもしれません。一般的には、雇用されている人が在宅勤務する、あるいはモバイルワーカーとして顧客先や移動先で勤務するという形態をテレワークと言います。会社の事業所から離れた所で働くということです。

 

家内制手工業
家内制手工業

産業革命直前の工業では、家内制手工業と呼ばれていて一種のテレワークがおこなわれていました。

 

1800年頃のイギリスでは、資本家である織元は大手であれば2000人を超える職工を抱えていました。職工の多くは女性で、田舎の農民の妻や娘が大半です。

先ず、織元は職工に自分が所有する機械を有償で賃貸します。次に織元は牧畜業者から羊毛を仕入れて職工の家に配達します。

職工が毛織物をつくると、織元が集荷にきて、出来高に応じた賃金を支払って帰ります。熟練した職工ほど収入が多くなります。

 

この仕組みが、産業革命によって全く変わりました。動力が人力から水力や蒸気に代わることで大型の機械が導入されました。工場が建てられて、職工は家庭から工場に通ってくるようになったのです。消費者は、大量生産で安定した品質の製品を安価に手にすることができるようになったのです。まさに革命が起きました。

この機械化、装置化の発展は工員に熟練を求めないという点でも革命でした。誰でもが仕事につけて、同じ労働をして同じ賃金を得るようになったのです。

 

テレワークは、会社(上司)の直接的な束縛から離れて、時間が自由になるという大きな利点があります。一方で、同一労働同一賃金ではなく、個人のスキルや熟練度に応じた出来高払いの賃金になります。また、テレワークでは団体交渉などもできなくなるので、相対的に働く人の立場は弱くなります。

 

そもそも、テレワークによって総合的な労働生産性が向上するかは大いに疑問です。人は自由であるほうが生産性が高まると簡単には言えません。一人や少人数の方が、会社を離れて働けば、自由な発想が生まれ創造性が花開くというのも違うように思います。

 

現代のテレワークを支えるものはICT技術です。情報革命という第二の産業革命が家内制手工業の時代に引き戻そうとしているようでもあります。