エンパイヤステートビルのエコ改修

宇部市役所の新庁舎建設工事は、国交省の「2019年度 サステナブル建築物等先導事業(省 CO2先導型)」に認定されています。

 

宇部市役所は現在地に建て替え工事中で、昨年(2019年)10月に起工して、1期工事の完成は来年(2021年)9月です。2期工事まで完成するのは2024年春になる予定です。総事業費108億円は宇部市にとっては大プロジェクトです。環境に配慮した建物ということで、どんなふうになるのか注目しています。

 

エンパイアステートビルは世界でもっとも有名な高層建築だと思います。しかし、このエンパイアステートビルが、大規模改修によって環境性能を劇的に向上させていることは、それほど有名ではありません。

 

エンパイアステートビルは1931年に竣工して既に築90年近くになります。

地上102階、電波塔を含めると高さ449mという超高層ビルです。日本で最も高いビルは2014年に竣工したあべのハルカスで高さ300mですから、90年前によく建てたものだと思います。

 

そのエンパイアステートビルは2013年にリノベーション工事が完了しました。冷暖房設備を最新型のものに一新して、約6500の窓は全て二重化し、断熱性能を向上させ、照明も人感センサー付きのLEDにするなど、エコ改修しました。

 

この改修によって、エネルギー消費(≒CO2排出量)が39%下がり、年間470万ドル、5億円以上のコストダウンになったそうです。このエコ改修は入居率の向上にも役立ったことから、リノベーションにかかった費用は3年余りで回収できました。

環境性能の向上が、新たなブランド価値をつくったということです。