小さな出費で大きな災害を防ぐ

強靭化とか継続力といっても、あまり大きなお金を使うと元が取れません。

 

津波対策だということで、巨大な堤防をつくっても、釜石の例のように脆くも崩れるということが実際にありました。河川の土石流を防ぐために人家の近くに大きな壁をつくるのも結構厳しいです。自然の大きな力に、構造物の力で真正面から対抗しようとしても、なかなかうまくいきません。

 

砂防堰堤
砂防堰堤

津波対策としては防潮堤に代わって入り江の入口に円筒の構造物を立てるとか、海底に波消しになるブロックを配置するとか、新たな工法が提案されています。

堅牢な防潮堤で津波の圧力を正面から受け止めるのではなく、津波の力を分散させる仕組みです。

 

流体力学など工学の知識を応用すると、小さな出費で大きな災害になることを防げる可能性があるそうです。日本の得意な分野ですから、進めていきたいです。

 

土砂災害の予防では、川筋の上流で未だ流れが細いところに小規模な砂防堰堤をつくることが推奨されています。

土石流にまで大きくなったら、これを止めるのは困難です。しかし、大きな土石流も最初は小さな崩壊から始まるわけで、この段階で有効に止めれたら小さな出費で済むわけです。

 

巨大な構造物は景観を損ないますし、人の生活だけでなく、動植物や環境にも良い影響を与えません。また、そもそもお金がかかります。

こういうときこそ、工学の出番です。最小の費用で最大の効果を人に目に触れないような方法で施工する。腕の見せ所ではないですか!?