日本に「化石賞」という茶番

気候変動ネットワークという団体が日本に「化石賞」を授与したそうです。

 

日本が石炭火力発電を推進しているというのが理由だそうですが、茶番以外の何物でもありません。地球環境問題に技術的に最も貢献している国が日本であり、パリ協定で最も高いハードルを自国に課したのが日本であり、そのハードルを達成できる可能性が最も高いのも日本であり、2019年に地球温暖化の影響で最も大きな被害を受けた国も日本であり、日本国民です。

 

地球温暖化
地球温暖化

現在の気候変動ネットワークは政治活動を目的とする団体です。(昔は違ったようですが)

 

地球温暖化の原因になる二酸化炭素排出量は、2016年のデータで中国が世界の28%、アメリカが15%、日本は3.5%です。恐らく2018年は3%以下です。

 

日本は世界人口の1.7%なので一人当たりでみればまだ世界平均の2倍近く排出していますから、改善の余地はまだあります。

尚、中国の人口は世界の19.0%、アメリカは4.3%です。日本人やヨーロッパ人1人当たりの二酸化炭素排出量を1とすれば、中国は0.75、アメリカは1.65です。アフリカ諸国は0.11、インドは0.18です。

 

化石燃料のなかで石炭だけを忌避する合理的な理由はありません。日本の石炭火力発電の効率は世界で圧倒的な優位にあります。世界中の石炭火力発電所に日本の技術を導入するのが温暖化防止の切り札になるほどです。

天然ガスのほうが、あるいは石油の方が火力発電において温室効果ガスを出さないというのは事実です。しかし、これらの液体や気体の燃料は掘り出す段階で膨大な量の(正確には補足できない)温室効果ガスを放出します。その放出割合は年々増加しています。

 

日本では原子力発電の多くを停止しており、再開の目処が立たないという特殊な事情もあります。また、再生可能エネルギーの導入には、日本の森林が大半を占める島国という国土が制約します。バイオマスといっても、日本の森林の植生は伐採すると再建に何年もかかります。すでに全国の里山にソーラーパネルがあふれるという醜悪な景色も広がっています。

 

そんな苦境にありながら、日本の温室効果ガス排出量は減っています。2018年の実績は12億4400万トンです。これは1990年以降で最小排出量になりました。

2018年の排出量は2013年対比11.8%も減りました。パリ協定の目標「2030年に2013年対比26%削減」の達成が可能なラインに乗っています。

 

これだけ温室効果ガスの排出が減ったのか? 3つの理由があります。1は電力由来の炭酸ガス排出量が減ったこと、2は省エネが進んだことですが、3は暖冬だったことです。

私たちにできることは、何といっても省エネです。私たちが省エネ相談に出かけると、どの事業者さんでも会社を上げて省エネに真剣です。日本人の省エネへの情熱は、間違いなく世界を牽引していきます。

 

この団体の政治的な意図はわからないでもないですが、こんな日本・日本人に対して化石賞を授与という茶番は止して欲しいと思います。「はなはだ無礼である!」とK大臣に叱ってもらいたいくらいです。(Kは河野ではなく小泉かな?)