働き方改革(時短)と副業奨励の折り合い

副業を推進するために、副業中の労災でも労災保険適用とする方向だそうです。

 

個人的には、正社員として働いている人が副業を持つことには賛成です。正社員さんの優れたスキルを一社で独占しないで、他の会社でも活かせるならメリットは大きいです。正社員さんにとっても、スキルに磨きをかける機会を得ますから、一石二鳥です。

 

スキルを活かす
スキルを活かす

副業を奨励する場合には、本業+副業によって働く時間が長くなります。普通に考えれば、避けることができないと思います。

一方で、働き方改革で長時間労働の是正が重大なテーマになっています。週に40時間でも労働時間が長すぎるといった指摘です。

 

この副業奨励と長時間労働の是正という両者はどうしても相いれず、折り合いをつけることが難しいことです。政府からも、明快な解決策は提示されていないように思います。

 

事業者と社員の関係が1:1でなくなることで、労災認定や労働時間の通算だけでなく多くの課題があります。例えば、終業時間の管理と超過勤務手当の取扱、通勤手当の経路、安全配慮義務の分担、機密の漏えい、ノウハウの無断使用など、たくさんあります。

 

正社員が士業の資格を持っているような場合、その資格を活かした副業をするというケースは比較的容認できそうです。中小企業診断士も過半数が企業内診断士ですから、そのスキルを活かして経営コンサルタント業務を勤務時間外におこなうことはあり得ます。

雇用関係と個人事業という関係は考えやすいです。

 

問題なのは、正社員が他の企業に雇用されて副業をするケースです。例えば、会社の経理をしている人が勤務時間外に会計事務所に雇用されて他社の経理事務をおこなうような場合です。就業時間や安全衛生の管理が困難になるだけではなく、前述のようにいろいろな問題が起こりそうです。

 

いずれにしても、働き方改革と副業奨励の関係は整合しにくいです。IT関係などテレワークの仕事なら良いかと言えば、こういう仕事の方が疲れます。

やはり、副業奨励は少し特殊なケースに限られるのかも知れません。