朝鮮半島の南北統一はあり得るのか?

朝鮮半島では、まだまだ予断を許さない状況が続いていきそうです。

 

日本にとって朝鮮半島を巡るゴタゴタが起きるのは好ましい事ではありません。今のところは、韓国の文大統領の強烈な片思いに、北朝鮮の金主席が肘鉄くらわせているという状況です。肘鉄だけならともかく、食うや食わずのなかでミサイルを飛ばしてくるので恐ろしいことです。

 

朝鮮半島
朝鮮半島

日本人は朝鮮半島の人は同じ民族だと思いがちです。北朝鮮の人と韓国の人は同じ民族、ともに同じ家族で、第二次世界大戦とそれに続く朝鮮戦争の結果、38度線で区切られただけなのだという理解です。

 

しかし、民族的にも歴史的にも南北朝鮮は同じではりません。大雑把に言えば朝鮮半島の北部に住んでいるのは満州人で、南部は韓人です。

 

朝鮮半島では満州人と韓人という2つの民族が拮抗し対立してきたというのが歴史です。

朝鮮半島が最初に統一されたのは、676年の新羅ですが、これは韓人の王朝です。満州人からみれば韓人によって征服されたということになります・

 

10世紀になると朝鮮半島は分裂し、936年に満州人が全土を奪還して高麗が統一します。

13世紀にはモンゴル帝国が侵入してきて朝鮮半島はモンゴル(元)の支配下となります。その勢いで、モンゴル軍は朝鮮軍を先兵として日本にも侵攻してきます(元寇)。

14世紀になって元が朝鮮半島から撤退すると、満州人の一部である女真族がクーデターを起こして李氏朝鮮となります。そして清国に服属します。この李氏朝鮮時代に混血化、均質化が進んだことで朝鮮民族が生れたわけです。アジアで最も新しい民族と言われます。

 

李氏朝鮮は社会階層が両班と呼ばれる支配層と賤民の被支配層に分かれていて、事実上の奴隷制がありました。日本統治によって、清国から独立し、この社会階層は一度はなくなりましたが、今の北朝鮮では復活しています。

 

つまりは、南北朝鮮がそれぞれに存在しているという状況が、必ずしも異常な分断だというわけではないのです。そうであれば、文大統領も金主席もどちらも、無茶なことを考えず、また行動しないで欲しいと願います。背後にはトランプ大統領、周主席、プーチン大統領とさらに予測不能な3人もいますから、心配は膨らむばかりです。