代表取締役は誰だっていい

代表取締役とは、その個人の行為が、会社=法人の行為とみなされる人です。

 

会社は法人というように人格を持っています。会社は事業をおこなううえで、いろいろな他人と契約を結ぶわけですが、会社が契約書にサインして判を押すわけではありません。そこで、自然人である代表取締役がサインや押印をします。この代表取締役という人の行為は、会社の行為としてみなされるわけです。

 

会社
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代表取締役の選任は上場企業など大企業では重要な問題です。一般に、こういう企業では取締役会があり、3人以上の取締役がおります。

代表取締役は取締役のなかから決議によって選ばれます。たいていの場合は既定の路線があって、誰が代表取締役になるかは予め合意があります。

 

ところが、取締役会で思わぬ造反がおこったりすることも皆無ではありません。古くは、三越の取締役会で岡田社長が代表取締役を解任された事件がありました。このとき岡田社長が叫んだ「なぜだ!」は、流行語になりました。

最近(といっても5年ほど前)では川崎重工業の取締役会で大掛かりな造反劇がありました。

 

取締役会が代表取締役を決めるという仕組みが成り立つのは上場大企業に限られます。取締役会を構成する取締役を決めるのは、株主総会の議決によりますが、会社側の提案を認めるかどうかの判断をするだけです。

 

中小企業では過半の株式を所有している個人あるいはグループ(家族)などの株主があるのが普通です。その場合、この株主はいつでも臨時株主総会を開催して取締役を解任することができます。取締役を誰にするのかは、株主の意向だけで決まるのです。

この場合、代表取締役を誰にするかは、実はあまり大きな問題ではありません。確かに、代表取締役の行為は会社の行為ですが、一般に中小企業では、重大な契約を結ぶ場面が頻繁に起こるわけはありません。

 

代表取締役は誰だっていい、というのは会社の顔として相応しい人を代表取締役として立てることが大事ということです。これは、それぞれの会社によって異なります。

落ち着きや座りのいい人を持ってくるのか、アクティブで将来性を感じさせる人を持ってくるのか、知的で穏やかな印象を重視するのか、いろいろです。ひとつの考えどころです。