建物電気火災を防ごう

首里城が全焼した火災の原因が電気火災ではないかと言われています。

 

無人で火の気のない部分から出火している。出火の瞬間の映像が監視カメラに映っているということです。但し、常設の電気器具や配線ではなく、ちょうど開催されていたイベント用に仮設した器具や配線かも知れません。いずれにしても、電気火災は建物火災の原因のおよそ1/4から1/5を占めます。冬季を迎えて十分に注意をしましょう。

 

首里城
首里城

消防統計によると、昨年の全国の火災総件数は約3万8千件で、そのうち建物火災は約2万件です。火災による死者は1427人です。

日本は火災の発生件数は少ないものの、死者数が多いという特徴があります。

 

火災の原因としては、放火が1位(放火自殺も多い)ですが、喫煙率の減少でたばこが減っていて、子供も減っているので火遊びも少なくなっています。照明がLED灯に変わったことで白熱球に衣類などを被せてしまって発火するという事例も減ってきています。

 

そのなかで、電気火災の発生は年々僅かですが増加していく傾向にあります。一般には、老朽化した建物で、電気設備のメンテナンス不備などによって発生する電気火災が多くなっています。また、蓄電池の発火など新たな火災の原因も出てきました。

仮設設備による電気火災の発生についての統計などは見当たりませんでしたが、これも一般論として本設備よりはリスクが高いかも知れません。

 

一般的に電気火災を防止するには、電気設備を正しく取り扱うということが第一です。誤った使用によって火災や感電事故を引き起こさないことです。

第二には、コード・プラグ・コンセントに傷みが無いか、緩みが無いか、ねじれが無いか、圧しつけて無いかを確認しましょう。配線や接続部分からの発火が多いのです。また、コンセントからの出火では、「トラッキング」といってコンセントの差し刃間に溜まったほこりがスパークして発火させることがあります。長い間差しっぱなしのコンセントは要注意です。

 

一方で、電気設備や配線のトラブルをゼロにはできません。しかし、火災になるには燃焼の3要素、①可燃物(燃えるもの)、②支燃物(普通は酸素)、③着火源(この場合は電気が原因の熱)が揃うことが必要です。

つまり、①の可燃物を近づけない、接触させない工夫があれば火災にはならないわけです。電気設備の防火点検というと、専門家に任せるしかないという事業者さんもいらっしゃいます。しかし、周りに可燃物が無いか(不要物が無いか、埃が溜まっていないか、など)という点検は専門家でなくてもできますし、実は重要です。