毎年11月1日は計量記念日。11月は計量強調月間です。
経済産業省のWebページから「社会全体の計量制度に対する理解の普及を図るために、計量法が施行された11月1日を「計量記念日」とし、11月を「計量強調月間」とし、計量制度の普及や社会全体の計量意識の向上を目指しています。」※ 電気記念日(3月25日)、発明記念日(4月18日)、貿易記念日(6月28日)とともに経済産業省4大記念日のひとつ。
人が「はかる」という行為をはじめたのが、いつだったのかははっきりしません。1万年よりもっと以前には、はかりはじめたのだろうと思います。
量(個数)、長さ、重さ、時間など、いろいろなものを工夫しながらはかったのだと思います。長さを測る基準は、世界のどこでも自分の身体でした。
東洋では尺や寸、西洋ではインチやフィートなど身体の一部の長さが基準です。
尺という漢字は、親指と人差し指を広げている象形です。この長さは人によって違いますが、周の時代には1尺を約17㎝と決めていたようです。
1尺の10倍が1丈です。健康でしっかりしていることを丈夫というのは、成長した男性ということです。大丈夫は上部のなかでも際立っているということですから、高身長の男性ということです。
尺は人によって違うわけですが、成人の場合では尺が長い人は背も高くなります。その人ごとの1尺を10倍すると身長に相当します。試してみてください。
さて、令和元年(2019年)は計量の世界では重要なことがおこり、記憶される年になりました。2019年5月20日(国際計量記念日)に、重さの定義が変わったのです。
1889年(明治22年)につくられて130年近く活躍していた「国際キログラム原器」ですが、質量が僅かに変化します。現在の科学技術ではこれを無視できないということになって、原器という人工物ではなく、基礎物理定数をもとにして新しい重さの定義をつくることになりました。新しい定義は、「㎏はプランク定数を 6.62607015×10^-34 ㎡㎏/sとすることで設定される」というものです。
まぁ、こうなるとよくはわからないのですが、国際キログラム原器は人工物ですから、どんなに厳重に保管していても破壊されるリスクもあったわけです。重さの基準が突然失われれば世界は大混乱します。これで、ちょっと安心ですね。