台風が東京直撃か?一極集中のリスク

台風19号が強い勢力を保ったままで東海から関東、つまり東京へ向かっています。

 

たまたま三連休であることから、政府機能や金融や情報に関する中枢機能への直接の影響は限定的かも知れません。しかし、日本のあらゆる機能が東京に一極集中していることのリスクを感じないわけにいきません。政府が万全の体制をとるといっても、日本政府のほとんどの機能は東京にあり、職員の大半は東京で生活しているわけですから、万全とはいきません。

 

東京
東京

東京が災害に襲われたときのリスクについてはよく言われることですが、実際にはあまり対策が進んでいません。

 

東京には日本の人口の7%、首都圏には30%が集中しています。災害に襲われると救援を必要とする被災者の数が多くなります。多くの被災者に対応するだけの救援体制が、構築できない可能性があります。

但し、これは逆に言えば、東京以外のどこが被災しても、東京には救援に十分な人員がいるということでもあります。

 

東京は人もモノも情報も流通の中心になっています。例えば、日本の交通網でも、全てが東京を起点にして広がっています。東京を通らないでどこかに行くことが難しいような仕組みになっています。モノの配送でも同じですし、情報や技術の流れでもいったん東京を通って分配されるようになっています。

 

政府・行政機関も東京に一極集中しています。そのうえ、本来ならば自由に立地を決められるはずの民間企業の本社も東京に集まっています。便利で仕事がやりやすく、世界の年のなかでも際立って安全ですから、当然と言えば当然です。

 

但し、台風などが原因になる水害には根本的な脆弱性を持っています。首都圏、つまり関東平野並びに近世以降の干拓地や埋め立て地は、地盤が強固ではないですし、海抜も低いので、一旦浸水や洪水が発生すると長期化、広域化する危険性があります。

 

やはり、東京への過度な一極集中は何とかしたいです。最初に着手すべきは、政府機関の地方への移転です。せっかく消費者庁を徳島県に移転することになっていたのに、中止になりました。これは、できなかったのではなく、役人にも政治家にも本気でやる気がないのです。

 

防災省をイージスアショアと一緒に秋田県と山口県に創設する案を書いたことがありますが、こういう機会をとらえて政府機関の移転を加速させたいところです。

他国の例では、アメリカは合衆国ですし、イギリスは連合王国、ドイツは連邦国家、ということで参考にできないところもありますが、どこも行政機関が一カ所には集まっていません。日本もインフラが整備されていることでは負けていないのですから、本省は東京に置くとしても下部組織は積極的に行政機関の地方移転を進めるといいなぁと思います。