キャッシュレス(現金無し)の導入って言われてもね~?現金がいいに決まっている。
キャッシュレス決裁を導入しなけりゃ遅れているというわけではありません。現金商売の長所はあまりにも大きいので、好んでキャッシュレスを採用するかどうかは慎重に検討します。お店や会社が資金ショートして、文字通りのキャッシュレスになったのでは笑い話にもなりません。
現金取引というのは、何といっても資金繰りが楽です。キャッシュレス取引は、プリペイドカードを発行できるような大手企業は別として、基本的に売上代金の入金が後日になります。売上が増えれば増えるほど、回収までの資金を自分で準備する必要があります。
現金は現実ですが、キャッシュレス取引は現実になっていないので、現金に変わるまでずっと心配をしなければなりません。
最後に、これが一番の問題なんですが、現金取引のときには、売り手と買い手の意識は対等の関係になっていて上下がありません。モノ(サービス)をお渡ししました・対価の現金を受け取りました・ありがとう。現金を支払いました・相当のモノ(サービス)を受け取りました・ありがとう。というイーブンな関係です。
しかし、キャッシュレス、つまり掛けの取引では売り手の意識は、買っていただけるのだから売り手の言い分を聞かなければならない。買い手の意識は、買ってあげるのだから、売り手はこちらの言い分を聞くべきでしょ。という関係になりがちです。
日本という国は、世界で最も売り手と買い手の関係が平等で対等な国です。決して合理的な話ではないのですが、この心の問題が日本でキャッシュレスが広まらない要因になっています。
もちろんキャッシュレス取引には合理的なメリットがあります。現金を直接取り扱うときのミスやトラブルを減らせるだけでも大きな利点です。たまたま手持ちのお金が足りないお客様にもモノ(サービス)を売ることも出来ます。
結論としては、小規模な事業者さんでお客さんとの関係が見えるような仕事では、現金取引を基本としてキャッシュレスの導入には慎重になるほうがいいかも知れません。
それでもキャッシュレスを導入するときは、資金繰りにはよく注意することが大事です。