エアブローは近づけてする

どんな工場でもエアブローをすることは一般的です。できるだけノズルを近づけることです。

 

切粉や異物を除去して表面や管内を清浄にするためにエアブローをおこないます。他には、水滴や油滴を吹き飛ばしたり、配管製作などでは溶接部分の冷却にもエアブローは活躍します。実は、エアブローは空気を盛大に使うので、電力も盛大に使うことになり、つまりはお金がいっぱいかかります。ただ、なかなか気づかないのです。

 

逆2乗則
逆2乗則

エアブローをする場合に大事なのは圧力です。圧力はノズルからの距離が2倍になれば1/4に落ちます。3倍になれば1/9になります。逆2乗則というもので、中学校の理科で習います。つまり、エアブローは近づけてすることが大事です。

 

どのくらい近づけるのかというと、ノズルの径の10倍以内が目安です。2㎜径のノズルであれば20㎜(2㎝)です。

一般にノズル径の5倍まではノズルの直前圧が維持され、その後は逆2乗則に従います。

 

例えば、2㎜径のノズルの直前圧が0.4MPaだった場合です。

エアーを吹き出すとノズルから10㎜(径の5倍)のところは0.4MPaを維持しています。

20㎜離れると0.4×1/4=0.10MPaです。

40㎜離れると0.10×1/4=0.025MPa。60㎜だと0.01MPaになります。

要するに、圧力は急激に減衰するので、ノズルと被処理物の距離は近づける必要があります。

 

圧力0.4MPaで2㎜径のノズルから噴出される空気量は約200L/分です。

圧縮空気の単価はコンプレッサーの仕様から計算できますが、レシプロの小型コンプレッサーを使った場合で大雑把に3円/㎥くらいです。

 

1分のエアブローだと0.6円。1時間すると36円。10時間だと360円。これが一つのエアガンです。どうでしょう?大したことないですか?

しかし、この金額を無視している工場では利益が残しにくいのです。