運動疲労の原因は乳酸ではない

激しい運動をすると「筋肉に乳酸が溜まる」と思っていましたが、違うそうです。

 

運動疲労の原因は、筋肉中の糖が分解される過程で乳酸が蓄積していって、体内を酸性にすることだと考えられていました。ところが、よほどの激しい運動は例外として、体内の乳酸レベルはほとんど変化しないのだそうです。つまり、乳酸は運動疲労のとはあまり関係がないということで、こういう常識のようなことも覆されるのでビックリします。

 

マラソン
マラソン

マラソンのような有酸素運動では乳酸は溜まりにくく、100メートル走などの無酸素運動では乳酸が溜まると言われていました。これは間違いではないのですが、溜まる乳酸の量がたいして多くはなかったのです。

しかも、乳酸は疲労の原因物質でもなく、むしろ疲労を緩和するものだということです。

 

それでは、疲労とはなにか?というと、どうも諸説あるようです。

激しい運動では乳酸だけではなく、リン酸も増えます。リン酸はカルシウムと結合しやすいので筋肉中のカルシウムの動きを邪魔して疲れるという説。(何だか、わかりやすい)

運動をすると、活性酸素が発生して細胞が傷つけられ、疲労因子となるたんぱく質の発生を促されて、このたんぱく質の影響で脳が疲れを感じるという説。(疲れを感じるのは、筋肉ではなく脳なんだ!なるほど)

ほかにも、いろいろ・・・

 

要するところ、運動疲労の原因はひとつじゃないということです。

疲労回復には、筋肉の温度を下げるアイシング、血液循環を促すストレッチ・マッサージ・軽い運動、そして休養が効果的であるということです。

 

それにしても、疲労=乳酸という常識は過去のものなんだそうです。今の高校生は、そもそもそんな知識を持っていないとか。我々の常識は古い時代のものなので、常にアップデートは必要です。