鉄則!売上高を下げてはいけない

売上高は会社の目標ではなく手段です。会社の目標は利益だけです。・・って言うじゃない?

 

「利益=売上高ーコスト」だから、利益を上げるにはコストを下げる方法があるという理屈です。例えば、商品Aの売上高1000万円でコスト900万円、商品Bは売上高2000万円でコストが1000万円、合計で売上高3000万円でコスト1900万円なので粗利益が1100万円。販管費は1000万円とすると、営業利益は100万円とします。

 

蓮の花
蓮の花

仮に、商品Aの取り扱いを止めると販管費が700万円で賄えるとします。そうすると、売上高は3000万円から2000万円と2/3に減るのですが、粗利益は1100万円が1000万円と、わずか100万円減るだけです。そして、営業利益は100万円から300万円に3倍増です。

 

不採算な商品やサービスから撤退することが、経営改善の王道であることは確かです。売上高を減らしても利益が増えればよいというのは真理です。

 

しかし、現実では売上高を下げてでも利益が増えればいいというのはたいてい間違いです。

それは、何といっても売上高=会社の規模というのは、ステータスであり、働く人のモチベーションに効いてきます。やはり売上高3000万円の会社より、1億円の会社、さらに10億円、100億円も会社のほうが、やる気もでますし、信用も高まります。

 

「入るを測りて・出るを制す」は、礼記に書かれていることばです。売上高に応じて出費をコントロールすれば利益が残るということです。これも真理です。

しかし、出るを制す、つまりコストをコントロールするわけですが、労務費というコントロールが難しいコストがあります。仮に売上高が1/3に減ると予測されたとき、コストダウンに取り組むのは当然ですが、労務費を1/3に抑える施策は非現実的です。

最低賃金が年率3%上がる昨今です。経営者は労務費という制することのできないコストを抱えながら、会社を運営していかなければなりません。

 

そうすると、おのずと売上高を下げてでも利益を大きくするという戦略は取りづらいというのが現状だと思います。販路開拓と販売促進の力を集中することが大事です。