大潮と満潮と台風

とてもスピードの遅い台風だったので、ひどく心配したのですが被害は少なかったようです。

 

ちょうど台風の中心が満潮の時刻に通過するという予想でした。満月で大潮の時期ですから、高潮の被害が懸念されました。結果として、中心が少し西にずれたこともあって、潮位偏差も50㎝弱で収まって。高潮注意報のレベルまで達しませんでした。よかったです。

 

大潮と小潮(気象庁のWebサイト)
大潮と小潮(気象庁のWebサイト)

最近は、アポロ計画の再評価などがあって、月が俄かにブームになっています。

 

海に満潮と干潮があるのは、月の引力によるものだと誰もが知っています。地球が1日に1回自転するので、私たちがいる場所は1日に1回、月の側に近づき、同じく1日に1回は月から反対側にいきます。

海の水は月に引っ張られるのですが、地球の自転の遠心力で反対側の海も膨らみます。このため、1日に2回の割合で満潮と干潮が起こります。

 

海の水を引っ張るのは、太陽も同じです。太陽は月よりずっと大きくて引力も強いのですが、なにせ遠くにあります。地球に及ぼす引力の大きさは月の1/2弱です。

それでも、太陽と月が連携すると海の水がより強く引っ張られます。これが大潮です。

 

気象庁のサイトにある絵がわかりやすいです。要するに、満月か新月のときが大潮にあたります。この大潮のときの満潮が潮位が最も高くなります。これに、台風の低気圧で海面が吸引されると高潮で大きな被害が発生します。

確率は高くないですが、実際に1999年の18号台風で宇部小野田地域では、たいへん大きな被害が出ました。瀬戸内海の沿岸部では、気に掛けておかなければなりません。