台風は大きくなり進路が読みづらくなった

台風8号に引き続いて、9号と10号が相次いで本邦に襲来しそうです。

 

最近は台風が多いなぁ?と思って調べてみたのですが、実は台風の発生回数も、接近回数も増えているわけではありませんでした。数が増えたのではなく、接近する台風の大きさが大きくなっていることと、その進路が予想しにくくなっていることが問題です。

 

台風の発生個数と北部九州山口への接近個数
台風の発生個数と北部九州山口への接近個数

気象庁のWebサイトから、過去60年間の台風の発生個数と北部九州・山口県への接近個数をグラフにしてみました。

台風の発生個数は年間25個くらい、接近個数は4個くらいです。特に増えているというわけではありません。

 

昨年は台風の接近個数が9個で、2004年の10個についで多いですが、異常値です。

7月豪雨をもたらした台風7号の印象が強烈ですし、通常とは逆コースを通って列島を東から西に縦断した台風12号も驚きました。

 

近年の台風は日本に到達したときの勢力が大きいのが特徴で、困りものです。よく言われるように、地球温暖化の影響で日本近海の海水温が高いことで、エネルギーの補給が続いて緯度が高くなっても勢力が衰えません。

 

また、もう一つの困った特徴が進路が予想しづらくなっていることです。

 

主な台風の進路
主な台風の進路

印象深い台風の進路です。

1段目左側の1991年の19号台風は、宇部小野田地区を直撃して風雨で大きな被害をもたらしました。当時は新婚だったのですが、庭に置いてあったプレハブ物置(荷物が入っていなくて空だった)が吹っ飛んで、隣の田んぼに落ちてしまいました。

この台風は、大量の海水を巻き上げたことで塩害によって電線の碍子が短絡して、中国地方は広い範囲で数日間停電しました。

今の方は知らないでしょうが、当時はブライダルキャンドルという妙な風習があって、家に巨大なロウソクがありました。長期の停電には役に立ちます。(笑)

 

右側の1999年の18号台風は、大潮×満潮時に宇部小野田港上空に到達しました。気圧が急激に下がって、海面を数メートルも引き上げたので、市内全域で冠水しました。私の工場でも、全敷地が1メートル程度冠水して大変なことになりました。山口宇部空港が滑走路はもちろん、ターミナルビルの1階部分が全て水没しました。

 

2段目は2017年の3号台風(平成29年7月九州北部豪雨)と2018年の7号台風(平成30年7月西日本豪雨)です。

3段目左側は2018年の12号台風です。前代未聞の日本列島を東から西に迷走しながら通過して、中国大陸に到達しました。右側が、昨日の台風8号の進路です。日本列島の緯度まであがっても東進することなく朝鮮半島に到達しました。

 

台風9号と10号が発生していますが、進路は読みづらくなっています。お盆休暇に入るタイミングでもあり心配です。準備だけはしっかりしておいてください。