経営にはタスク型ダイバーシティが有効

吉本興業の会長・社長・副社長は同じお笑いコンビの元担当者で占められています。

 

会社が発展するにはダイバーシティ(人材の多様性)があることが有効であると言われています。その点では、数千人を束ねる企業のトップ3が同じ出自の人で占められているのは好ましいことではないでしょう。ガバナンスを改革していくには、ダイバーシティに取り組むことは欠かせない要素です。

 

ダイバーシティ
ダイバーシティ

ダイバーシティには2種類があります。

 

一つはデモグラフィック型ダイバーシティと呼ばれるものです。デモグラフィックは人口統計学歴属性のことです。

性別(最近は男女だけではありません)・出身地(国籍や民族や人種)・年齢・学歴など、はっきりわかる属性の多様性です。

 

 

もう一つはタスク型ダイバーシティというものです。タスクは仕事や課題のことです。これまでおこなってきた仕事、仕事から得た経験や課題解決能力などを言います。外部の人にははっきり見えない属性ですが、この多様性です。

 

経営を改革するには、デモグラフィック型ダイバーシティよりも、タスク型ダイバーシティがより有効だと証明されています。

 

例えば、女性活躍を推進するために、全体の何パーセント以上を女性にするといった取り決めをする場合があります。先月の参議院選挙では女性の候補者を30%以上にするという政府目標があり、実際は28%の立候補がありました(当選者では23%弱)。

ただ、こういう目に見えるダイバーシティはうまくいかないことがあります。女性だから特別に役職につけると、仕事ができなくて業績が上がらなかったという例も多いです。出身地や国籍、家族などの要素だけで抜擢してもうまくいかないことが多いでしょう。

 

タスク型ダイバーシティを追究していった結果がデモクグラフィックなダイバーシティにも自然につながったというのが理想です。

中堅以上の企業であれば、マネジメントする経営陣は、生産・技術・販売の3部門に加えて、総務経理・人事労務・購買調達・知財法務など、いろいろな部署(複数なら尚よい)で仕事ができる人でダイバーシティが形成されていることが肝心です。

この視点で純粋に人選していった結果として、性別、年齢、国籍などに違いができたというのが望ましいことです。そうしてできたタスク型ダイバーシティが経営を強靭化します。