韓国は何故こんなに慌ているの?・・半導体産業の構造

日本が輸出管理優遇を取り下げるということに対しての韓国の慌て方が尋常ではありません。

 

日本の企業が海外に物品を輸出する際には貿易管理令に従って申請をして許可を得るのは普通のことで、取り立てて難しいことではありません。輸出を禁止するというわけではないので、輸出品(韓国側からみれば輸入品)を適切に使っているなら何も問題はありません。日本企業もそうですが、台湾などを含めてどの国もきちんとやっています。

この慌て振りをみると、やっぱり横流ししていたのだなぁと疑いが深まるばかりです。

 

半導体(サムスン)
半導体(サムスン)

この背景には韓国の工業における半導体産業の割合が極端に大きいということがあります。

主力プレイヤーがサムスン電子です。サムスン電子の売上高は約24兆円で韓国GDPの164兆円対比で約15%にもなります。そのサムスン電子の利益の2/3を半導体産業が占めています。

また、韓国は輸出額が大きな国で年間65兆円とGDP対比40%を占めます。この輸出の20%が半導体です。

韓国の経済は、財閥系大企業と半導体に依存する体質になっています。

 

これまで、韓国における半導体産業の成功を賞賛することはあっても批判することはありませんでした。今回の事象をみて、少し考え直しています。

 

先ず、サムスンの半導体事業がここまで成功してきた要因を考えてみます。

半導体製造はプロセス産業です。製造装置を導入することで産業化がはかれます。日本と米国から技術を導入することで韓国の半導体産業はスタートしました。半導体製造装置は今でも日本のお家芸ですが、その核心技術のいくつかは韓国で創造されたものです。

 

半導体産業の発展には装置だけでは足りません。装置を使いこなす優秀な人材が必要です。この点でもサムスンの人材教育やマネジメントは優れていました。日本にも先んじて取りいれたカンパニー制などは人的生産性を大いに高めました。また、ムーアの法則で有名な微細化や三次元化といった改良技術もサムスンで加速したと思います。

 

その間、半導体の市場は、高価な産業機械から、パソコンへ家電へ、そして携帯電話からスマホへと爆発的に拡大しました。莫大な投資をして生産能力を高め、低コストでありながら高品質な半導体を供給するサムスンに対して、日の丸半導体は成す術もありませんでした。

 

ここまでは韓国のサムスンの成功物語なのですが、今回の輸出管理によって3つの失敗が明らかになってきました。

1つは半導体製造の周辺にある素材材料や半導体製造装置の基幹部分などの製造を日本や米国など外国に頼ったままだったことです。また、これ以外の部材や部品製造などの裾野産業が韓国国内に育っていないこともわかってきました。

 

2つは製造している半導体が主にメモリーであって代替が効いてしまうこと。半導体にはメモリー、ロジック、マイクロ、アナログの4種類があり、メモリーが最も市場が大きく成長率も高いのですが、製造できる企業は世界に多数あります(サムスンのコストと品質で製造できるわけではないですが・・)。一方で、マイクロのMPUならインテルしかつくれないですし、アナログのTI(テキサスインスツルメンツ)製品も代わりがありません。イメージセンサーであればソニーということになります。

 

3つは主にスマホ需要のピークアウトが急激だということです。2016年に15億台近くまで拡大したスマホ市場ですが、さすがに縮小に転じてきました。サムスンが韓国で製造している半導体を最もたくさん消費しているのも、実はサムスン(のスマホ)なのです。

 

中小企業にとっては教訓にならない規模の話ですが、ビジネスでは、裾野を広げる×代替できないものを提供する×将来の需要を見通す ということが大事であることは同じです。