はかる・くらべるを平仮名で書く理由

「数える・はかる・単位の事典(東京堂出版:武藤徹・三浦基弘編著)」から抜き書きです。

 

この本(事典:3200円+税)は2017年11月30日に初版出版されています。武藤徹という名前に見覚えがある人も多いと思います。ネット書店で検索すると「武藤徹の高校数学読本」「面積の発見」などがかなり売れています。驚くのは、この武藤徹さん1925年(大正14年)のお生まれです。

 

武藤徹1956年戸山高校教師時代
武藤徹1956年戸山高校教師時代

事典の巻末紹介によれば、武藤徹さんは1925年神戸市生まれ。1947年に東京帝大数学科を卒業後は都立戸山高校の教師をしながら、NHK教育テレビ「高校数学講座」の初代講師を務めたそうです。著書は数学関係以外も含めて多数あり、現在も数学教師向けのゼミを開いているとか。

う~ん、驚きますね。「数える・はかる・単位の事典」は、武藤徹先生92歳の近著ということです。

 

さて、「はかる」「くらべる」はなぜ平仮名で書くかです。

先ず、「はかる」ですが、元々の意味は数量や大小を計測して知る行為のことを言いました。そこから派生して、性質・原因・方法を前もって知ること、相談して知ること、それを実行に移すことまで意味が拡がったということです。この結果、漢字辞典には「はかる」と読む漢字が137字もあるそうです。

 

さて、いくつ書けますか?「測・量・諮・図・計・謀・恕・斗・機・法・理・議・貲・・・」

というわけで、たくさんあり過ぎるので平仮名で書くということです。

 

「くらべる」ですが、これはくらべるには「比べる」と「較べる」の2つがあるからです。

「比べる」は比率というように、大小の大きさを割り算で求める方法です。大きい方は小さい方の2倍とかです。

「較べる」は較差というように、大小の大きさを引き算で求める方法です。大きい方は小さいほうより10cm長いとかです。

これを合わせて「比較」というわけです。