こういう比較をした記事を読んだり、統計データをみるときは、要注意です。
年収1000万円以上の層では老後の生活水準を下げることができず、公的私的合わせた年金だけでは生活できない。一方で、年収1000万円未満の層では、老後資産2000万円あれば生活水準を保てる。という記事です。納得するような・しないような・・?
何故、違和感があるのかというと、年収1000万円以上の層には、年収1億という人もたくさんいます。一方で、年収1000万円未満の層には生活保護世帯も含まれます。
少し極端ですが、年収990万円の方と1010万円の方とで比較すると老後の生活に差があるわけがありません。
1000万円より上か下かで区別して評価することが、適当な感じがしません。
同じような記事では、肥満(BMI25以上)の人は、肥満でない(BMI25未満)の人と比べて癌治療の後遺症が重篤になる可能性が高い。といった記事もありました。
これも肥満の人のなかには体重が100㎏を超えてBMI35という高度肥満の人もいますし、肥満でない人のなかには体重が50㎏でBMI18という低体重の人もいます。
後遺症が重篤に出る人が、肥満度に応じて高くなるということなのかというと、恐らく違うでしょう。癌以外の疾病による治療とか、様々な要因が合わさっていることが予想されます。
連続した変数を使ったデータを、恣意的に分けるとどんな結論でも導き出せるので、注意が必要です。逆に言えば、うまく使えば、倫理的な問題はあっても、説得力のあるプレゼンテーションが可能です。ご用心。
写真は、クジラというサイトの商品です。キャッチフレーズは「細身の奴らが嫉妬する、大きいサイズのファッション通販」です。まぁ、嫉妬するかどうかはともかく、ビジネスの種はいろいろあります。