日本の人口。5千万人が適当は正しいか?

日本の人口は長期的に減少しています。今世紀の終わりに7500万人という予想です。

 

今(2019年6月)が、1億2600万人です。年々、人口減少の勢いは加速して、約25年後の2040年代に1億人を切って、2100年には7500万人になりそうです。ある人が「日本の食料自給率が38%というよな。1億2600万人×38%=5千万人くらいが、狭い日本列島に住む人口としては適当なんだよ。」って言われました。

 

日本列島
日本列島

多少は自棄っぱちという感じがしますが、うまいこと言うなぁとちょっと感心しました。

 

確かに、今の日本の人口は日本という国土や環境を考えれば少し多すぎるのかも知れません。

日本の人口は、万葉集が編纂された頃には400万人くらい、1000年前の平安時代でも1000万人を超えていないそうです。江戸時代の初めでも2000万人くらいで、明治5年に3400万人です。

日本列島に無理せず生活できる人口は、このくらいなのだという主張もわからないわけではありません。

 

しかし、人口減少を放置できないのも事実です。人口が減るというのは、購買力の低下を意味します。そして、高齢者人口の恒常的な増加=生産者人口の減少と扶養人口の増加=を招きます。あまりに急激な人口減少は、影響が大きいので何とか避けたいところです。

 

さて、冒頭の日本の食料自給率38%ですが、これは農林水産省が発表している”カロリーベース”の食料自給率です。生産額ベースでは66%になります。限られた農地ですから、高付加価値の農産品をつくって、安価なものを広大な土地を持つ国(主にアメリカ)から輸入しているというわけです。事業として儲からないから、生産を抑えているというわけです。

 

カロリーベースの食料自給率では、日本国内での飼料生産分を加えることもできます。1カロリーの畜産品(動物性食料)を生産するのに、飼料(植物性食料)7カロリーが必要です。

飼料となる分を食料として摂取すれば、カロリーベースの食料自給率は46%になります。

 

諸々を考慮すると、食料自給率の実力値は現状で約50%でしょう。

しかし、現在の農業ビジネスの成長を目の当たりにしていると、生産額ベースで80%というラインは遠からず達成されるような気がします。カロリーベースでも30年後に60%は難しい目標ではないと思います。あれ?これでようやく7500万人が養えるということですね。

 

というわけで、日本の人口の適正値は7500万人(第二次大戦の前後頃と同じ)ということになりますかね?ただし、今世紀末ではなく、もう100年くらい延びるような緩やかな減少で進むといいのですが・・。