消費社会の彼岸に何があるか

タイトルが大仰です。山口県で中小企業診断士をしていて感じることです。

 

かつて、日本はあまねく消費社会でありました。現在でも、東京などの都会では消費社会が続いています。山口県は、もはや消費社会とは言えません。消費社会を解脱した彼岸には何があるのでしょうか。涅槃の境地でどんなビジネスをすることが価値なのだろうか。

 

中山間地の集落
中山間地の集落

「消費社会」とは、「消費の水準が幸福の基本になっている社会」のことです。

日本でも戦後1960年くらいまでは、消費社会とはいえません。国内生産が拡大途上で1ドル360円では輸入もままなりません。つまり、そもそも消費するモノが少ないのです。

 

消費社会が成立するのは、生産力が向上して、輸入貿易が拡大し、流通や小売りの体制が整ってきた1970年頃からです。身近のモノが溢れてきて、多くの日本人が消費に関心を持つだけのおカネを持ってきました。生きるためのモノ消費ではなく、欲望のためのモノ消費ができるようになったのです。さらには消費のための消費、消費すること自体が目的となるような、無自覚な消費もおこなわれるようになりました。

 

消費社会のなかでビジネスをおこなって成功する方法は、積極的な宣伝や営業によってお客に欲望をつくることです。買い手の目につくキャッチーなコピー、他者と差別化された機能やデザインの商品、とんがった店舗側から主張、あなただけのコト消費の提案などなど。

  

このブログでしばしば書くように、山口県は日本のなかでは平均的な県です。東京が特別なのです。山口県で中小企業や小規模事業者さんの支援をしていると、「消費社会」という時代は終わったのだと感じます。

中山間地の街でも、かつては多くの商店がありモノが溢れていて、住んでいる人も商品やサービスに大いに関心を持っていました。しかし、現在では商店の棚はスカスカで(あるいは、シャッターを閉めている)、高齢者が大半の住民には欲しいモノもありません。

 

競合店がないのですから差別化戦略の取りようもありませんし、奇抜な店構えなんかすれば後ろ指をさされるばかりです。我々は、こういう状況のなかでビジネスをおこなって成功させる方法を考えています。

「インターネットを使って全国へ海外へ市場展開していくのだ!」と勇ましいことを言う人もあるでしょうし、「ビジネスをする環境じゃないから止めてしまえ」と正論を吐く人もあるでしょう。前者は成功率がパーセント未満ですし、後者をとれば街がなくなります。

 

こんな逆境のなかでも、成功する方法はあるのです。持続的に発展できるやり方があります。しかし、どんな教科書にも書いてありません。大手コンサルタントファームの優れたコンサルタントは考えてもくれません。その土地、その町のやり方があるものです。

 

お近くの中小企業診断士に相談してみてはいかがでしょうか。

☞ 一社)山口県中小企業診断協会 <最後は宣伝でした m(_ _)m>