六次産業化に向いている食べ放題でコト消費

宇部市でも食べ放題メニューがあるレストランは20店舗以上ありそうです。

 

都心でも田舎でも、食べ放題レストラン(オシャレにフランス語で、ブッフェ:buffet)がどんどん増えています。お客様は好みのメニューを気兼ねなく食べれますし、量を食べたい人も、多くの種類を楽しみたい人も満足します。お店の方も、セルフサービスによって人件費が削減されて儲かります。

 

農家レストランのブッフェ
農家レストランのブッフェ

食べ放題店の最初は、我々の学生時代だと思います。大学の近くに焼肉食べ放題の店ができて、仲間たちと一食抜いてから出掛けていました。

当時の食べ放題店の主要顧客は、安い値段でたくさん食べたい人でした。学生や若い家族連れが多かったです。

 

今の食べ放題店は、カジュアルに、美味しい料理をリーズナブルな価格で食べたいという人が訪れます。さらに、単に料理の味だけなく、素材の魅力とか、美しい景色といった立地へのこだわりとか、いろいろな要素が加わるようになっています。

最近の言葉で言えば、「モノ消費」ではなく「コト消費」です。実際、イベントなどがおこなわれる店舗も多いです。

 

さて、六次産業化という言葉も定着してきて、もう知らない人も少ないでしょう。念のため、1次産業(農業・漁業)+2次産業(加工=調理)+3次産業(販売=飲食)=6次産業です。

この六次産業の飲食店には、食べ放題が向いています。

 

六次産業ではお客様の方から、農業や漁業、つまり1次産業の場に来てもらうことが大事です。お客様にその場にある自然を感じてもらい、料理の背景にある物語に気づいてもらいます。都会のスーパーに並んだビニール袋に包装された綺麗な野菜ではなく、露地で収穫されたばかりの不揃いな野菜の美味しさも知ってもらいます。そんなレストランでは、むしろ接客はいりません。ブッフェとかバイキングというセルフサービスは適しています。

 

実は、山口県でも田舎のレストランの接客は総じて不評です。誤解を恐れずに言えば、接客の技術を本気で磨く気の無い従業員が大半です。

セルフサービスでは、お客様はお客様同士での振れ合いがあります。会話にならなくても、大皿料理を取り分ける順番を譲ったり、小さなお子さんを手伝ったりします。こういったお客さんどうしの自然なコミュニケーションのほうが、まごついた接客よりも心地よさが優ります。

 

農家や漁師(猟師)の日常や、本当の自然の恵みが感じられるようなブッフェレストランを企画できれば、繁盛するように思います。