この季節、山口県内は蛍狩りのイベントが満載です。
宇部市では、北部の吉部地区の埴生川や藤ヶ瀬川の周辺でホタルの乱舞が見られます。山陽小野田市では、厚狭川河畔にある寝太郎公園の周囲も絶好のポイントです。下関市では、 木屋川の流域がホタルの里として有名で、ホタル舟が出て船上からのホタル観賞もできます。
詳しくは「山口県観光協会 ほたる特集 おいでませ山口へ」を参照ください。
下関市豊田町はホタルの里として有名です。温泉もある、道の駅「蛍街道西の市」の隣には「豊田ホタルの里ミュージアム」があります。
ミュージアムは山口県のホタルについての展示だけでなく、ホタルを中心に世界の昆虫や関連する動植物、自然について体系的に学べるように展示されています。
自然史博物館として、ちょっと侮れないレベルですので、お奨めです。
右にGoogleMapの写真を貼り付けたのですが、このミュージアムは上からみるとホタルの形になっています。わかりますか?
さて、豊田ホタルの里ミュージアムの有料エリア(大人200円)の最初の展示がホタルの卵の大型模型です。そこで、ホタルは飛び交う成虫だけが光を放つのではなく、卵も幼虫も光るという説明があります。知らなかったので、素朴にビックリしました。
ホタルが光るのは「ルシフェリン」という化学物質を身体のなかに持っていて、それがルシフェラーゼという酵素によって酸化されるときに発光する、化学発光の原理です。この「ルシフェリン」をウミホタルから抽出して結晶化したのが2008年にノーベル化学賞を受賞した下村修教授です。
化学発光は、夜釣りのときの浮き、夜店で買う光る腕輪などでも使われます。夜のランニングにも重宝したりしますし、変わったところでは犯罪捜査で血痕を見つけるときの「ルミノール検査」も化学発光です。血液中の鉄が酸化触媒になります。
ホタルは卵も幼虫も「ルシフェリン」を体内に持っていますので、光るのだそうです。但し、卵が直径0.5㎜ほどととても小さいです。幼虫は1.5㎜ほどになっていますが、川の中(石の下)にいますので、まだ弱い光を目にすることは少ないそうです。その後、サナギになってから成虫になるのですが、このサナギも光ります。
化学反応なのでそういうこともあるのでしょうが、成虫の場合は求愛という明確な目的があるのですが、大して理由もなく生まれる前からずっと光っているのはちょっと不思議ですね。