絶対の安全はない・・リスクアセスメントをどう考えるか

川崎市で小学生を含む20人を殺傷する事件の続報がある度にどうやって防ぐのかと話題です。

 

会社のリスクアセスメントでは、このような滅多に起こらないリスクをどのように扱うべきでしょうか? 昼日中の会社に、刃物持った人物が入ってきて振り回したとしたら、どう対応するかを決めているのは、銀行くらいでしょう。会社が営業活動をしている以上、少しは恨みや不満を買っているはずです。そんなことは絶対に起こらない、とは言えないでしょ?

 

強盗が入ったら(訓練画像)
強盗が入ったら(訓練画像)

小学校のスクールバスのバス停に並んでいた子供たちに向かって刃物で切り付けるという事件でした。日本においては過去一度もなかったと思います。

犯罪統計をみると、日本での無差別殺傷事件は年間平均で5件発生しています。無いわけではないのですが、非常に稀です。

テレビや新聞で識者に対策を尋ねていますが、まとめると具体的かつ有効な対策は考えつかないということのようです。

 

多くの会社や事務所では、夜間休日の侵入盗対策としてセコムなどの機械警備を導入しています。しかし、白昼に凶器を持った強盗とか、会社に恨みを持って殺傷を意図した者とかが侵入したとしたら対応はできるでしょうか?

また、そういうリスクに対応することが可能でしょうか?

 

リスクアセスメントで言われるリスクというのは相対的なものです。絶対の安全=リスクが全くない、という状態はありません。

リスクアセスメントというのは、結局のところ「リスクを無くす、事故を防ぐ」というのではなく、「どのリスクを許容するか、どの事故は起こっても仕方ないか」を予め決めておくということです。

 

「リスクの大きさ=被害の酷さ×発生の確率」という計算式が基本です。これに、被害予防や被害拡大阻止の可能性、それに必要な経営資源(コスト)を加味します。

例えば、直下型地震の被害は酷くとも、発生の確率が低いならリスクは小さいです。活断層が発見されて地震発生の確率が高まっても、地震の少ない遠いところに会社(工場)ごと移転するというのは容易なことではありません。

 

つまり、リスクアセスメントではリスクが小さいと判定されたものでも、発生することはあります。取り返しのつかない被害がでることもあります。では、どうすればよいのかは、結論の出ないのです。

 

このブログをご覧いただいているのは、中小企業者さんか支援機関の人が多いので、できる範囲での「ながら見守り」を考えていただければと思います。

 2017/04/14 犯罪から子供を守る・・中小企業にできること