M&Aは一発勝負!

M&Aは、merger and acquisition(合併と買収)の略で、企業の合併や買収の総称です。

 

最近のM&A関連の話題では、肉体改造で有名な「RIZAP」による爆買いがあります。本業のジムでは13万人の会員で売上高413億円(一人30万円!?ワォ~!)と好調ですが、買収した会社の採算性を回復させることが叶わず、前期の最終損益が193億円の赤字になりました。

 

merger and acquisition
Merger & Acquisition

M&A案件は、どれも一発勝負です。難しそうな計算をして買収価格を決めるようなものではなく、直感とタイミング(時にはハプニング)で決まることが多いです。今までに経験した案件から、少しお話します。

 

一つ目は、仲介アドバイザーがいた案件です。買い手企業側は仲介条件に納得して案件が進みそうでしたが、売り手企業が他にも話をしていて、買い手が競合してしまいました。結局、買い手企業が社内調整に時間を掛けている間に、他の買い手が譲受する契約が先にまとまりました。こういうケースはよくありますが、本当に欲しいと思うなら逡巡せずに早く手をつけることが大事です。

 

二つ目は、異業種異地域型の案件です。買い手企業と売り手企業(大手メーカーの孫会社)の事業には一見して関係が薄いように思えます。しかし、買い手企業はある新事業を考えていて、売り手企業側の技術を欲しいと望みました。もちろん、M&Aの段階では肝心なことは言いません。売り手の考えていた株式価値を超える大きな金額で買収が成立しました。

後日、買い手企業は買収した工場を閉鎖し、会社そのものも廃業させます。異地域の拠点コストを無くすため、技術者と重要設備を自社の工場に移動させて新事業を開始しました。今では、その事業が中核事業に発展しています。

 

三つ目も、異業種異地域型の案件です。買い手企業と売り手企業はトップ会談も終えて、基本合意に至りました。この後は、買収監査(デューデリジェンス:DD)です。買収監査はどの範囲をどのレベルまで実施するかケースバイケースですが、いずれにしても大きな費用と時間・労力がかかります。この案件では、DDはほぼフルバージョンになり現地調査などもおこなったために1億円超の費用が掛かりました。結果、契約不成立に終わりました。

実は、DDをやればやるほど瑕疵やリスクは出てきます。どんどん時間も経って、意思決定が一層難しくなるものです。M&Aは結婚にも例えられますが、好き!と感じたら、あまり根掘り葉掘り調べずに求婚するべきだったのかも知れません。

 

四つ目以降は、また別の機会に・・