アイスクリームとジェラートは乳固形分量が違う

アイスクリーム類には、アイスクリームとアイスミルクとラクトアイスの3種類あります。

 

食品衛生法のなかに「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」というおがあって、定義がされています。アイスクリームは乳固形分15%以上、アイスミルクは10%以上、ラクトアイスは3%以上と決められています。乳固形分が3%未満はアイスクリームではなく氷菓ということになります。

 

ジェラート(角島ジェラートポポロ)
ジェラート(角島ジェラートポポロ)

最近人気の高いジェラートは、イタリアが母国です。ジェラートは凍ったものという意味ですが、乳固形分が5%前後なので、アイスクリームではなく法律上はアイスミルクに属します。

 

アイスクリーム類とくくってあるので、ジェラートもラクトアイスもアイスクリームと言って差支えないようです。ガリガリ君のようなシャーベット・かき氷系は氷菓であって、アイスクリームではないのですが、一般にはアイスクリームで通用しています。

 

アイスクリーム・アイスミルク・ラクトアイス・氷菓を合わせたアイスクリーム・氷菓類の市場規模は2017年で5,114億円です。1世帯当たり年間9、000円、1人当たり年間4,000円くらいです。

アイスクリームの市場規模は年々拡大しています。10年前は3,800億円ほどだったので1.35倍になっています。特に伸びているのがアイスミルク(ジェラート)でこの間に1.53倍です。

 

夏場の猛暑傾向が市場拡大に貢献したのかと思うと、冷夏であっても需要は増えているようです。また、冬場の需要も拡大傾向のところをみると、日本人の食文化としてアイスクリーム類が定着してきているようです。

 

都道府県庁所在地別家計調査をみても、1世帯当たりのアイスクリーム・シャーベットの消費金額が大きいトップ3が金沢市・富山市・福島市、少ないほうの3位までが那覇市・和歌山市・神戸市というちょっと意外な結果になっています。

 

また、容器別でみると、プラ容器やステック(棒)アイスは減っています。紙カップやそれをまとめたマルチパック、ホームパックなどが人気になっていることから、家庭での消費が増えてきていることもわかります。人口構成の変化も考えると、シニア層がアイスクリームを好んでいるわけです。

 

成長市場に向けて、高齢者×家庭消費×冬場というキーワードで商品開発を考えると期待が膨らみそうです。