夜半に嵐の 吹かぬものかは

当地では、昨夜日付けの変わる0時前くらいに、強烈な風と雨に襲われました。

 

このため、今朝は空気が冷たく風が残っているものの、とても清浄です。山々がくっきりと見渡せて気持ちの良い朝になりました。但し、どうもこの激しい風雨は局地的であったようで、防府市や山口市の人に「凄かったね」と話してみると、そんなことはなかったそうです。

 

3月12日~13日にかけての天気図
3月12日~13日にかけての天気図(気象庁のWebサイトより)

日本海にある低気圧から延びる寒冷前線が、ちょうど12日の夜半に当地を横切ったことが天気図でわかります。春の嵐の典型的な天気図です。もっと低気圧が発達していくと危険なのですが、局地的に小さな嵐をもたらしただけだったようです。

 

気象庁の調べてみると、宇部市のアメダスは0時に降水量3.5mmと風速12.5m/sのやや強い風を観測しています。短時間にはかなりの雨を感じましたし、瞬間風速はもっとあったと思います。しかし、近隣の防府市や下関市のアメダスは風雨ともに大したことがありません。局地的な風雨だったことがわかりました。

 

夜半に嵐・・というのは、親鸞聖人の「明日ありと 思う心の あだ桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは」という有名な歌がもとです。

親鸞は儒学を家業とする貴族の子として生まれますが、9歳のとき天台座主・慈円のもとで得度することになります。この得度に当たって、慈円が1日延期しようと提案したのに対して、少年であった親鸞が決意を鈍らせないように詠んだ歌とされています。

 

後に浄土真宗を開いた親鸞は、多くの言葉を残しています。

「無明長夜の灯炬なり 智眼くらしとかなしむな 生死大海の船筏なり 罪障おもしとなげかざれ」というのが、調子もよくて、ちょっと心に残っています。この文章のように、人はどんなに迷っていたとしても、仏様が導いてくださるので、あまり心配しなくていいのですよね。