舌癌、そして白血病のこと

堀ちえみさんが舌癌で手術をしたということ。その前に池江璃花子選手が白血病と診断されたこと。馴染みのなかった癌が俄かに注目を浴びています。

 

舌癌が初期では口内炎と間違いやすい(歯科医でも気付かないことがある)ということ。一方で、注意すると自分自身で見つけることも可能な癌であること。飲酒やたばこなどが原因になることが多いこと。舌癌の予防につながる情報も多く知られるようになりました。

 

堀ちえみ
堀ちえみ

白血病には骨髄移植という治療法があること。骨髄バンクに登録すると、骨髄のタイプに適合した患者さんへの移植を依頼されることがあること。登録は55歳未満の健康な人が可能だが、タイプが適合する患者さんが見つかるのは数年以上かかること。などが知られて登録者が急に増えているようです。

 

舌癌も白血病も、名前は聞いたことがあっても珍しい癌で、あまり身近な存在ではありません。今回のニュースが、多くの人に新しい知識を提供しました。お二人ともに、治療によって快癒され、元気な姿でまた活躍されることを祈念しています。

 

そこで、癌について統計を調べてみました。

2016年に、日本で癌と診断された人は995,132人。約100万人なので、パーセントと換算しても同じです。

舌癌を含む口腔・咽頭がんは約2.2万人。白血病は約1.4万人でした。比較的少ないですね。

診断された人が多いのは、上位から、大腸がんの約15.8万人、胃がんの13.4万人、肺がんの12.5万人という順序です。また、女性の乳がんが9.5万人、男性の前立腺がんが9.0万人ですから性別に分ければ、乳がんと前立腺がんの確率が高くなります。

 

癌が原因で亡くなる人は男性に多くて、2017年に男性22.0万人、女性15.3万人となっています。生涯で男性の25%、女性の15%が癌で亡くなります。

死亡数が多い部位は、男性では肺(5.3万人)・胃(3.0)・大腸(2.7)・肝臓(1.8)・膵臓(1.7)の順、女性では大腸(2.3万人)・肺(2.1)・膵臓(1.7)・胃(1.5)・乳房(1.4)の順になっています。ちなみに、乳がんで亡くなった女性1.4万人に対して、前立腺がんで亡くなった男性が1.2万人です。

 

一方で癌の治癒率は大きく向上しています。

2002年~2006年に癌と診断された人の10年相対生存率(癌と診断されていない人の10年生存率との比)をみてみます。

先ず、男性の場合。甲状腺がんと皮膚がんの10年相対生存率が約87%で最も高く、前立腺がん、膀胱がん、喉頭がんは70%を超えています。逆に、膵臓がんと肝臓がんは10%未満ですから、治療し難いがんのようです。メジャーな部位では、胃がんと大腸がんは60%以上と治療の効果がたかいですが、肺がんは18%と少し厳しいです。

 

女性の場合。甲状腺がんは95%、皮膚がんは90%と男性より更に高くなっています。乳がんと子宮がんが10年生存率が70%を超えています。男性同様に、膵臓がんと肝臓がんは10%を下回り治療が難しいようです。