上手くいっているときに将来のことを考える

最近、「もうちょっと早く相談してください」というのが口癖のようになっています。

 

もちろん、今現在には苦境にある会社でも何年も経営が続けられたのは、好調だったときがあるわけです。そのときに将来のことを見据えて布石を打っておけるかが、会社が継続できるかどうかの分かれ目です。

 

劉向
劉向(Wikipediaより)

今から2000年余り前、前漢の時代に劉向という学者がおりました。劉向には多くの著作があります。当時の流行作家だったようです。

 

劉向の著作で有名なものの一つに「説苑(ぜいえん)」があります。説苑は劉向のオリジナルの文章ではなく、様々な書物から天子を戒めるための逸話を集めたものです。

今でも、こういうまとめ集のような本が人気を集めますが、うまい商売です。

 

説苑に「衰滅の過ちは、得意にして怠るにあり」とあります。組織が衰退したり滅亡したりする原因は、好景気に浮かれたときに備えを怠るからである。ということです。

 

志を持って創業しても、3年後には7割の事業は撤退しています。最初の3年を乗り越えて、5年・10年・・と続いてきた会社、その経営者には必ず得意だった時期があります。そのときに将来を見据えて準備をしなければなりません。

 

不景気に襲われたり、経営の舵取りに失敗したり、不調になって経営危機が身近になってから原因を探しても遅いです。好調のときにこそ適切な危機意識が必要です。

得意のときに、緊張感を持って、丁寧な会社運営をしなければなりません。人を育て、設備や施設を充実させ、人脈を広げ、そして何より内部留保を厚くすることです。

 

なかなか出来ないことですが、2000年前からずっと言われていることです。