ラジオで言っていたのですが、1月1日からの最高気温の積算が400℃になるとスギ花粉が飛散するのだそうです。
試しに宇部市の最高気温を1月1日から積算してみると、2月4日までで388℃でした。今日の宇部市の最高気温は10.9℃ですから、積算値で399℃になります。明日には確実に400℃を超えますから、いよいよスギ花粉の飛散ということです。
私自身は花粉症の症状があるわけではないのですが、とても辛そうな人がたくさんおられます。お気の毒です。
しかし、1月1日を起算とした最高気温の積算で花粉の時期を予想するのは少し乱暴ですかね?
植物の開芽は夏の間にいったん作られて、その後は休眠します。通常は寒冷な気温に一定期間触れることで、休眠打破となり、花の生成が進んで花が開きます。この生成の速度は気温が高いほど早くなるというわけです。
つまり、休眠打破がどのタイミングでおこるのか、つまり寒冷な状況がどのようにあって続いたのかによって開花時期がいくらか変ります。
桜の場合は、2月1日以降の最高気温の積算が650℃になると開花するのが標準だそうです。但し、これは2月中に寒の戻りが少なくとも1回はあるという前提で、もしずっと暖冬だと積算が550℃でも開花するとか。なかなか難しいですね。
どの植物でも開花のメカニズムは同じなんだそうです。
そこで、ベテランの農業者さんはどの時期に花が咲き、実が成るのかを予め正確に知ることができるということです。出荷時期がわかっているということは、ビジネスにはすごく有利です。若手の農業者は、きちんとデータをとって統計的な予測をして対抗しないといけません。
なお、病害虫の活動開始時期も同様に積算温度でわかるのだそうです。虫によって、発育ゼロ点温度も積算温度の値も異なるのですが、たいていの病害虫でその標準値が示されています。
害虫の発生時期が予めわかっているというのも、農業にはとても有利ですね。
科学的な農業によって生産性を向上することができるようになっているというわけです。