増加する食物アレルギーが大きな経営課題

旅館やホテルの経営において、食物アレルギーがあるお客様への対応が大きな課題です。

 

日本では食物アレルギーの人がどんどん増えています。成人の1~2%が食物アレルギーであるということですが、文部科学省の平成25年の調査では小学生~高校生の年代では4.5%が食物アレルギーでした。なんと20人に1人、クラスに2人ですから、全く珍しくありません。

 

7大食物アレルギー物質
7大食物アレルギー物質

文部科学省の調査というのは、全国すべての公立の小中高校生が対象です。

約1015万人に対する調査ですから、信頼性が高い数字です。食物アレルギーがあると答えた者が約45万人です。

 

なかでも、これまでに急性のアレルギー性ショック(アナフィラキシー)をおこしたことがあるという児童生徒が5万人もいます。

さらに、万一のためにエビペン(アドレナリン自己注射)を所持している者が、小学生では0.4%にあたる1万7千人もいます。

今風に言えば、マジでヤバイです。

 

ちなみに、平成19年に文部科学省がおこなった同じ調査では、食物アレルギーの児童生徒は2.6%でしたから、大幅に増えています。日本人の生活品質という意味でも、食物アレルギーは大問題です。

 

経営的には、飲食品を販売する店舗や飲食品を提供するレストランや食堂でも、食物アレルギー対策は大問題です。しかし、こういう店では棚から食材を選んだり、メニューから料理を決めるのはお客様ですからリスクは少し緩和されます。

一方で、料理やホテルでは一定の食事を提供することが多いので対応に苦慮することがあります。顧客満足の向上とコスト削減には、朝食をバイキングにすることは有効ですが、食物アレルギー対策が十分できなければ採用が難しいこともあります。

 

最近では、卵・乳・小麦・落花生・えび・そば・かにの7大アレルギー物質に加えて、いくら・キウイ・くるみ・バナナと、アレルギーの原因食材が増えてきています。これまで、食物アレルギーの症状がなかった人が、珍しい食材で突然アナフィラキシーを起こすようなことも稀には起こります。

事業者としては、完全な食物アレルギー対策を取ることは困難ですが、業界のマニュアルに従って最善の対応をしておくことが重要です。

 

なぜ、食物アレルギーの人がこんなに増えているのか?という疑問ですが、日本人(特に乳幼児期)の環境が過度に衛生的になっていることが原因の一つのようです。

 

本来、産まれたばかりの赤ちゃんにとって”食物は全て異物”です。これに対抗する反応があるのは自然です。赤ちゃんの身体は異物に対して反応するのが当たり前なのですが、お母さんとしては気になります。じんましんのような症状を出すと、その食品を遠ざけるようにします。この結果、その物質に対する抗体がつくられることなく大きくなることがあるそうです。

なかなか難しい問題です。