レーダーで探せる距離は意外に狭い

地球は丸いので、直進するレーダーの電波ではあまり遠くまでは見渡せません。

 

丸い地球上で、どこまで見渡せるかは三平方の定理で簡単に計算できます。地球の半径は約64,000㎞ですから、レーダーの高さが20m(例の韓国の戦艦くらい)で計算すると約16㎞の範囲になります。船のレーダでは意外に狭い範囲しか探索できないのです。

 

水平線
水平線(Wikipediaより)

人が海岸に立って目で見ている水平線は僅か4~5㎞先ということになります。目の高さを1.5mで計算すると4.4㎞先です。まさに目と鼻の先です。

 

遠くを見渡すにはできるだけ高いところから眺めたほうがよいのです。そこで、船のレーダーはできるだけ高い位置にあります。それでも、せいぜい見渡せるのは半径16㎞ほどの範囲でしかありません。

 

日本海で、大陸と日本列島の平均的な距離は800㎞くらいです。対馬海峡でも180㎞もあります。例えばですが、日本海を漂流している小さな船を船のレーダーで探し当てるのはなかなか難しいです。

探し当てられるのは、予め無線通信で情報を得ているからです。無線通信の信号は大気高層にある電離層で反射されることで地球の表面上を伝わってずっと遠い距離でも届きます。

 

話題になっている排他的経済水域(EEZ)は陸地から200海里=約400㎞の範囲です。この水域全体の監視は地上のレーダーサイトでは無理ですし、船舶のレーダーでもできません。

したがって、航空機を巡回させて高いところから監視することになります。

高いところから俯瞰すると、今度は驚くほど広い範囲が見渡せます。哨戒機や早期警戒機が高度8000mで飛行するなら、半径320㎞の監視が可能になります。(計算上ですが・・)

 

日本列島(北海道から九州まで)の日本海側の長さは約2000㎞ですから、全てを監視するには少なくとも4機の航空機を飛ばしておかないといけません。しかし、日本が監視しなければいけないのは日本海だけでなく、東シナ海や太平洋もありますから10機でも足りません。

また、24時間監視するには8時間交替とメンテナンスを考えれば、少なくとも×4倍の航空機が保有されていないといけないです。

 

日本では防衛予算が厳しく制限されていて諸外国と比較して使えるお金が少ないので、ちょっと心配です。しかし、調べてみると、海上自衛隊は哨戒機をP3-CとP1、合わせて73機保有しているということです。ちょっとだけ安心しました。