カルストはスロベニアの地名

秋吉台(このWebサイトの背景写真でもある)は、日本最大のカルスト台地です。

 

カルスト台地とかカルスト地形とかは、日本にも秋吉台の他、福岡県の平尾台や広島県の帝釈台など各地にあります。カルストの語源は、スロベニアとイタリアにまたがるカルスト(ドイツ語)あるいはクラス(イタリア語)地方という地名に由来します。

 

スロベニアのカルスト地方
スロベニアのカルスト地方(帝国書院のWebサイトより)

スロベニアのカルスト台地の面積は430㎢ですから、秋吉台の54㎢の8倍という大きさです。ポストイナ鍾乳洞は総延長が20㎞以上もあって、秋芳洞の総延長9㎞の2倍を超えています。また、シュコツィアン洞窟群は世界遺産に登録されています。

 

このカルスト地方の景観が有名だったので、地表に露出した石灰岩が,二酸化炭素を含んだ雨水によって溶食されてできる地形を総称してカルスト地形と呼ぶようになりました。

 

カルスト台地の生い立ちは場所によって異なるそうです。

秋吉台の場合は、今から約3億5千万年に南の海で海底火山が噴火して噴出物が海に溜まりました。その上に、サンゴ礁が発達して環礁を形成します。これが地球の造山運動によって現在の秋吉台の位置まで運ばれ、標高250mくらいまで隆起したということです。 

 

秋吉台は日本で見られる最大のカルスト地形です。また、その保存状態が非常によく、科学的な学習の場としても優れています。秋吉台の日本とは思えないようなカルスト台地の景観は多くの人に印象深いと思います。このため、年間70万人の観光客が訪れる山口県有数の観光スポットです。

 

ところが、秋吉台の観光業にとっては冬場に観光客数が大きく減るのが悩みです。夏休み期間の8月と比べると、12~2月の観光客数は1/4以下になります。

このため、秋吉台の観光用のお店の一部は休業していたりします。お店が閉じていると、観光客のほうも困りますから、足が遠のきます。負の連鎖ですから、何とか断ち切りたいと思っています。

 

冬枯れの秋吉台はカルスト地形の石灰岩が際立ちます。山口県といっても内陸で標高もあるので雪が積もることもあります。夏場以上にインスタ映えする景観になっています。

観光できる鍾乳洞には、秋芳洞以外にも景清洞と大正洞があります。鍾乳洞のなかは、年間通して同じ気温(約17℃)ですから、冬場の観光にもピッタリです。

観光旅行を企画されている皆様、冬の秋吉台を訪問してSNSにアップしてくださいませんでしょうか。きっと評価は高いと思います。

 

おいでませ!やまぐち ~ おいでませ!冬の秋吉台