亥年は波乱万丈の年となることが多いのだそうです。・・まぁ、当てにはなりませんが。
前回の亥年2007年はアメリカでサブプライムローン問題が表面化して翌年のリーマンショックにつながりました。その前の亥年1995年は阪神淡路大震災があり、経済的には1ドル80円割れの急激な円高がありました。亥年の1971年にはじまったニクソン・ショックから石油危機と続いた不況の出口は次の亥年の1983年だったように思います。
さて、景気予想といっても専門家でもないので難しいことはわかりません。
中小企業診断士のレベルで言えることは、景気は循環するものなので、ずっと良いことばかりは続きませんし、いつまでも悪いままということもないということです。
経営者はいつも、悪くなったときの守りの対策を練って備えておかなけばなりません。そして、良くなったときの攻めの方策を鍛えて持っておく必要があります。
このブログでは、しばしば景気循環のお話を書いています。何とかの一つ覚えですが、アップデートしておきます。
戦後の日本の景気循環はこれまで15回ありました。現在は第16循環の途中です。
直近の景気循環をみてみましょう。
グラフの横軸は鉱工業生産の増減、縦軸は在庫の増減です。景気はこのグラフを反時計回りに循環します。
生産が増える右側が好景気で、減る左側が不景気です。また、在庫が増える上側が後退期で減る下側が回復期になります。
第13循環では、1999年1月に平成不況で景気の谷であったものが、回復していきIT景気と言われる好況期を経て、ITバブル崩壊という谷を迎えます。
第14循環は、ITバブブル崩壊から小泉政権での景気浮揚が功を奏してイザナミ景気という長期好況があったものの、世界がリーマンショックという経済危機に襲われました。
第15循環は、リーマンショックから立ち直った日本でしたが、民主党政権迷走の最中に東日本大震災が起こり、結局は野田内閣の辞職で終わりました。
第16循環は、現在も続いています。
第二次安倍政権の発足から、基本的には経済の大きな後退はなく、何とか景気拡大を続けているという状況です。
長期政権のメリットは経済政策が一貫することで、不況を回避するためにあの手この手を使うことができます。
しかし、一方で危機回避の政策が強いので、景気がよいという実感が伴わないというデメリットもあります。また、いわゆる忖度やお友達がいる業界への偏りが起こる危険も含まれます。
この第16循環を拡大してみると下のグラフです。直近の2018年3Qが赤丸のところになります。景気循環となでは言えないのですが、小さな循環の様子がわかります。
この図から予想されるのは、2019年は若干でも景気後退期に入りそうだということです。5月には改元があり、10月には消費増税も控えています。年央から下期に向けて生産調整が入り、その後年末から2020年に向けて景気が浮揚していくと予想してみます。
但し、亥年は波乱万丈です。
日本の景気は海外の事情に左右されることもしばしばあります。リーマンショック級の危機が発生する可能性は否定できません。
むしろ、歴史は繰り返すという意味では今年は可能性が高いかも知れません。
また、その火種はたくさんあります。トランプ大統領のアメリカ、習近平主席の中国、米中貿易戦争、米中を中心にした先端技術・データ戦争、英国のEU離脱と欧州諸国が抱える政治経済問題、北朝鮮と韓国、サウジアラビア・イランなど中東情勢、ロシアの動き・・などなど。更に、自然災害の危険は予測不可能です。
経営者・経営幹部の皆さんは、努々備えを怠らないことが肝要です。