指定管理者制度は見直しが必要

指定管理者に関わる活動に協力することがありますが、見直しが必要と強く思います。

 

指定管理者制度は、2004年に「民にできることは民で」とする小泉内閣(2001~2006年)の”骨太の改革”の一つです。地方自治法を改正して、公の施設の管理を民間の事業者がおこなうことができるようにしたものです。

 

冬の花
冬の花(本文とは関係ありません)

指定管理者制度というのは、地方自治体がおこなうものなので、一律ではありません。

県がおこなうものも、市町がおこなうものもあります。他県は知りませんが、山口県と県内各市町でも指定管理者制度の運用はそれぞれ異なります。

うまく運営できているところもあるかも知れませんが、一様に課題を抱えているのではないかと感じます。

 

ここで、あまり詳しく論点を整理することは差し控えますが、今の時代に適合していないことは確かです。そもそもで言えば、最初の制度設計からボタンの掛け違いがあったのでしょうが、現在ではその乖離はすり合わせでなんとかできる距離ではありません。

 

指定管理者制度のスタートから僅か15年ですが、自治体側に事業を熟知する人材がいなくなっています。自治体職員は役人ですから異動があります。15年も同じ部署にいることはないですし、申し送りすることもそれほどないのでしょう。

受け手の民間事業者にとっても経済不況で仕事の少なかった時期ならいざ知らず、5年の期間を区切ってリスクと制約ばかり大きくて収益性の悪い仕事を、わざわざ取り組もうという気持ちにはなりません。

 

この結果が現場で働く人のところにしわ寄せされています。曲がりなりにも公の施設ですから、何某かの社会的な意義があるわけです。そこで働くことには誇りもやりがいもあって当然です。しかし、実際は数年先のことも見通せない職場で不安定な雇用を余儀なくされて、低廉な賃金で無理難題を押し付けられるという現状が見えます。

 

指定管理者制度は抜本的な見直しが必要です。そして、これは公の施設というものの見直しを意味します。さらに、自治体そのものの非効率性や地方議会の機能不全など・・・

この辺で、止めときましょう。