開通から56年経って、若戸大橋が無料になった

無料になったのは12月1日のことです。

 

最近は若松に行くには若戸トンネルを使うことが多いのですが、今日は若戸大橋です。12月1日に若戸大橋(若戸道路)と若戸トンネル(新若戸道路)が同時に無料化されました。これまでは100円払っていたので、往復200円のコストダウンになります。

 

若戸大橋
若戸大橋(北九州市道路公社のWebサイトより)

若戸大橋はとても想い出の深い橋です。その話は置いときますが・・。

 

1962年(昭和37年)に開通した若戸大橋は、洞海湾をまたいで当時の戸畑市と若松市(現在の北九州市戸畑区と若松区)を結んでいます。

当時は東洋一の吊り橋であり、日本の技術の粋を集めてつくられた長大橋です。敗戦から17年目の開通ですから、多くの若い技術者の努力が結実した橋です。日本で本格的な風洞実験を取り入れた最初の事例としてもよく知られています。

実際に設計や建設に携わった方の苦労話を聞いたり、当時の青焼きの図面を見せてもらったことがあります。図面の書き込みなどからも、熱い気持ちが伝わります。

 

この若戸大橋(370m)を先駆けとして、1973年に関門橋(712m)、1977年に平戸大橋(400m)と続き、1980年代に入って本四架橋へとつながります。

1983年に因島大橋(770m)が開通したのを皮切りにしまなみ海道が建設され1999年に全線開通します。これに先立ち、南備讃瀬戸大橋(1100m)をはじめとする瀬戸大橋が開通したのが1988年、明石大橋(1990m)を経由する明石鳴門ルートは1998年に全線開通しました。はじまりは 若戸大橋です。

 

北九州市の若松区北部の響灘地域は豊富で整備されたインフラを背景にして、一層発展の余地があります。北部九州地域でも人口と経済が福岡市に一極集中する傾向が顕著です。

若戸大橋と若戸トンネルは2027年までの償還期間を9年前倒しして無料化となりました。北九州市の英断だと思います。北九州市の発展の一助になることを期待しています。