確実に廃炉へ進んでいる日本の原子力発電

2011年3月11日時点で既設57基、建設中3基の60基の原子力発電所原子炉がありました。

 

2018年12月5日現在、稼働中9基、許可獲得済みだが未稼働6基、申請中だが許可未獲得12基、許可未申請10基、廃炉決定あるいは検討中23基(2011年時点で廃炉決定していた3基を含む)です。☞ 原子力政策の動向について 資源エネルギー庁 2018.12.05

 

原子力発電所の現状(2018.12.05現在)
原子力発電所の現状(2018.12.05現在)

現在稼働中の原子炉は、九州電力の4基(玄海2基と川内2基)、関西電力の4基(大飯2基と高浜2基)、四国電力の1基(伊方)の9基です。

東京電力の柏崎刈羽の2基など6基が許可を獲得していますが未稼働です。審査申請したものの許可未獲得は北海道電力の泊の3基や中部電力の浜岡の2基など12基。

日本の原子力発電所は、許可を申請していない10基を含めて33基が廃炉となる方向ですから、東日本の震災をきっかけにして確実に廃炉へ進んでいます。

 

尚、2011年3月時点で建設中の3基のうち、中国電力の島根3号機と電源開発の大間は稼働申請中で、東北電力の東通は未申請です。この3基は変な言い方ですが最新鋭の原発なので最も安全性が高いのですが、稼働していません。

また、建設準備工事中だった中国電力の上関は工事が中断しています。東京電力の福島第一の7号機8号機、東北電力の浪江小高は建設中止となりました。

 

リンクした資源エネルギー庁の資料にまとまっていますが、日本の原子力政策は迷走してます。長期的な視点で考えることが必要ですが、なかなかそうはいきません。

原子力発電の危険性を唱えることは簡単ですが、それではどうするのか?という対案はありません。核燃料廃棄物が出るという「トイレの無いマンション」論は、現在既にある核廃棄物をどう処理するのかという問題に答えを持ちません。

 

そのなかで、世界は原子力発電の拡大に向かっています。現在運転中の原子炉はアメリカ98基、フランス58基、中国46基など約400基です。今後も建設・稼働が続きます。

世界で、脱原発の動きは国内で石炭が大量にとれて万一のときは原発大国フランスなどから電力融通できるEUのドイツと、ベルギーの2国だけです。

韓国(稼働中24基と建設中5基)の文在寅政権が脱原発を閣議決定しましたが、2080年過ぎの閉鎖見込みです。お国柄、政権が変われば決定は変わるのであまり当てにはなりません。

 

さて、どうしたものか?先ずは政治家さんたちですが、国民的にも広い議論が必要です。