カルロス・ゴーンの逮捕、衝撃です!

日産自動車の会長カルロス・ゴーン容疑者らが有価証券報告書にウソの記載をしたとして金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕された。

 

日産車を持っていますが、特に強い思い入れがあるわけでもないので、会社そのものにそれほど注目していたわけではありません。日産・ルノー・三菱自という世界第2位の自動車グループは大きすぎて中小企業診断士の興味の対象でもありません。以下は速報です。

 

カルロス・ゴーン(Wikipediaより)
カルロス・ゴーン(Wikipediaより)

日産の西川社長の会見があるようですが、現時点では詳細はわかりません。一般論として書きます。

 

ゴーン氏は日産・ルノー・三菱自の経営トップを兼務していて、合計では年間20億円程度の報酬を得ていました。これが公式に発表されている金額です。

このうち5億円が日産の会長としての報酬ですが、実際は2倍に当たる10億円であった。この5億円分について課税を不正に免れるために有価証券報告書にウソを書いたというのが直接の容疑です。これ自体は違法ではありますが、ゴーン会長が自分で有価証券報告書を書くわけでも、書き方を直接指示するわけでもないので、きっかけに過ぎません。

更に巨額な不正な資金流用などがあって、今後明らかになるのだろうと思われます。

 

20億円の報酬があるのに、更に5億円を隠れて受け取るのは不思議な感じがしますが、20億円には所得税がかかります。仮に75%の税率なら手取りは5億円です。隠れて受け取った5億円には税金がかからないので、手取りは2倍の10億円です。

まぁ、我々にとっては5億円と10億円はどちらも巨額なので違いがありませんが・・。

 

経営者が不正を働くのは3つの要素が揃ったときです。

「燃焼の三要素」(可燃物・支燃物・着火源)というのがありますが、それと同じです。

 

ゴーンさんにとっても5億円が巨額であることは間違いないでしょう。更に5億円を得なければならない何かの隠れた事情があった(可燃物)のでしょう。某製紙会社のトップのようにカジノの負けってことはないでしょうが?

次に不正をしても咎められないという不正の機会(支燃物)がありました。公開会社で且つ日本とフランスという先進国の巨大企業ですから、コンプライアンスは徹底されているのが当然です。どんな統制がされていたのか、いなかったのかは、現時点では不明です。

最後に(着火源)です。ゴーンさんは、自らの巨額報酬をグローバルスタンダードから見れば決して高くないと繰り返し語っています。このあたりに何かがあったのだろうと思います。

 

一般に企業の経営者不正を防止するには、不正の機会を排除しておくということが肝要でしょう。形式的には、取締役会・監査役会・内部統制などです。経営者が裸の王様にならないような、ご意見番の存在も大事です。

 

引き続き注目です。