省エネセミナーで一番受ける大気の循環

省エネセミナーの最初か最後に大気循環の話をすると、皆さんの興味は増します。

 

度重なる異常気象は地球温暖化が原因であると言われても、やはりどこかピンとしません。今年は台風が東から西に移動するなど、例年以上に異常な(常識外れ)のことがおこったので、大気循環の理屈を話すとよく理解していただけます。

 

地球大気の循環
地球大気の循環

物理学とまでいかなくても、物事の基本原理は「平衡に向かう」ということです。

 

地球は自らの引力によって大気(空気)で覆われています。

太陽からの熱を最もたくさん受けるのは赤道付近です。赤道付近の地表の空気は熱くなります。熱いものは軽いので、上空に上っていきます。

地球の引力の外まではいけないので、北と南に分かれて極に向かっていきます。極までの1/3ほど進むと、空気は冷たくなって地表へと下っていきます。

 

地表に到達した空気は。赤道に戻るものと極に向かうものの二つに分かれます。地表を極に向かった空気は再び温められて、また1/3ほど進んだところで上昇します。

 

逆に、極付近は最も冷たいので空気は地表に向かって下降し、赤道に向かって流れていきます。赤道までの1/3ほど進んだところで徐々に温まった空気は、赤道側から来た空気と一緒になって上空へと昇っていきます。

それぞれ、ハドレー循環・中緯度循環・極循環と呼ばれます。

 

これに地球の自転によるコリオリの力が働きます。地球は北極から見ると反時計回りに回っていますから、地表を極に向かう空気の流れは西から東に、赤道に向かう流れは東から西に向かいます。日本のように中緯度地方で、偏西風という西風が吹く理由です。

 

この安定した大気の循環は、極付近が氷で覆われて冷たいことで保たれていました。地球温暖化の進行で、最も影響があるのは温度の低い極付近です。極付近の海氷は、30年間で半減していますから、大気循環は混乱しています。これからも異常気象が続きそうです。

世界も私たちも、省エネに取り組む必要性はますます高いということです。