スパン・オブ・コントロールの原則(8人までと思う)

中小企業診断士試験では企業経営理論という科目があり、組織論を学びます。

 

企業経営理論という科目は、経営戦略論・企業組織論・マーケティングの3つで構成されています。中小企業診断士の仕事をしていて、企業組織について考えるケースは実際には稀です。かなりの規模までは、オーナー経営者の才覚だけで運営されています。

 

組織とは「2人以上の人間の、意識的に調整された行動の体系」のことで、次の3つの要素があります。

1.共通の目的

2.協働への意欲

3.コミュニケーション

尚、コミュニケーションには、権限関係(命令と報告)がある縦のコミュニケーションと、他の単位組織との横のコミュニケーションがあります。

 

組織論のなかでは、いくつか(教科書によって、5つとか7つとか)の原則があります。

例えば、責任・権限一致の原則は、職務における責任の重さは権限の大きさと一致しなければならない。専門性の原則は、組織は専門的な役割や機能を持つことで効率的に業務が遂行できる。といった具合です。

 

そのなかに、スパン・オブ・コントロールの原則というのがあります。統制範囲の原則と呼ばれるもので、一人の管理者が統制(コントロール)できる部下の数には限界があるというものです。教科書によって5~10人くらいの範囲で、いろいろ書いてあります。

感覚的には、ある程度は同質な組織であり、管理者が有能であるという前提に立ってもスパン・オブ・コントロールの上限は8人と思います。

 

簡単に言えば、従業員が8人を超えれば会社は組織化されることが望ましいと思います。それは、呼び名だけ工場長とか営業部長とかになっているが、実際はオーナー社長が全部取り仕切るというのではなく、専門性の原則に沿って、責任と権限を委譲するということです。