日本は右傾化している?世界は右傾化している??

テレビの文化人やマスコミの方がよく書かれていますが、本当なのでしょうか?

 

少なくとも現実の政策では、日本の安倍政権は(恐らく立憲民主党や共産党よりも)革新的です。アメリカのトランプ大統領も極右かといえば、これも全く違うように思います。欧州(ドイツやフランス)で右派政党が伸長しましたが、これを右傾化というのもどうでしょうか?

 

ポプラ新書(池上彰ほか)
ポプラ新書(池上彰ほか)

何となく「右傾化」と言っておけば本が売れる?のでしょうが、それほど意味のないレッテル貼りのように思われます。

 

「右傾化」という言葉の意味は、保守化(大きな変革を望まず、現状を維持し伝統を守る)、あるいは反共主義化(共産主義への反対≒資本主義?)のいずれかなんだと思うのですが、他にあるのでしょうか?

 

現実の動きで言えば、アベノミクスの三本の矢の政策、働き方改革という強烈な労働者保護、米国を外したTPPの締結、さらに憲法改正への働きかけなど、右傾化というか保守化とは全く反対方向です。

経営者の立場から見れば、安倍内閣ほど労働者寄りの(経営者に厳しい)政策を続ける政権はこれまであまりなかったですね。・・レッテルを貼られた効果かな?

 

安部政権では、マイノリティの保護、生活困窮者への支援、外国人の受け入れ増加といった現実的な政策がかなり強引に進められています。

「保育園落ちた!日本死ね」ですが、そんなことを声高に言える国は稀でしょう。そして足下では、ほとんど無茶苦茶と言っていいペースで保育園が出来続けています。また、10月から最低賃金がまた上がりましたが、中小企業経営者は命がけです。

 

現時点では、左派政党や左派マスコミと言われる方のほうが、言論統制や思想狩りに一生懸命になっていて、保守的というか伝統的な守旧派のように感じます。

「教育勅語」という単語を口にしたら、すぐバカ呼ばわりするのは教育的ではないです。

 

トランプ大統領の政策にも同じことが言えますね。

ツイッターでの発言や、誰々の意見に賛成したとか反対したとかで、物議を醸しています。確かに、保護主義的な経済政策や、孤立主義的な外交政策などを取っているように一部では見えます。しかし、右傾化というわけにはいかないでしょう。

 

中国の世界経済への寄与率がいまや35%にもなっているので、資本主義の盟主である米国が合理的に取り得る経済政策として、一定の保護主義的政策は正しいでしょう。

また、アメリカが世界の警察官を務めることに反対していたのは、左派の方々ではなかったのでしょうか? アメリカの孤立主義ではなく、これからの世界は、日本も欧州も中国もその他の国々も、国際社会の秩序を維持するために相応の役割を果たしていくのだと思います。