企業会計ではゴーイングコンサーン(Going Concern : GCと略される)が当然です。
GCは「継続企業の前提」というもので、会社が永遠に継続するという前提の下で企業会計などの論理が構築されています。上場企業などでは、このGCに疑義がある(つまり、企業が永遠に継続しない=倒産や廃業の可能性がある)と監査で指摘されると大変なことになります。
わかりやすい例は、建物や機械など固定資産の減価償却です。
会社が継続する(計算書類の場合は少なくとも1年以上)という前提があるので、減価償却費を費用とすることができます。
もし、会社の継続性に疑問があるならその資産の処分価格で評価する必要があります。
もし、監査法人からGC疑義をつけられると、資産価値が大幅に下がるといった事態もあり得るわけです。
永遠に継続する企業のイメージは、大きくて・安定して・どっしりした・あまり動きのない会社を思い浮かべ勝ちです。しかし、そういう会社ほど継続することが難しいものです。
継続する企業とは、写真のブルーインパルスのように大きな推進力で、ダイナミックに空を翔ける企業です。
特に、中小企業や創業から間の無い企業では、経営資源の脆弱さと外部環境の変化やライバルとの競争によって、GCなんて考えられないということもあるでしょう。
やむを得ず、家族や仲間に頼ったり、金融機関や公的機関の支援に依存するような場合もあります。一度、外部に依存してしまうと悪循環に陥って、企業は継続していても、もはや自分の自由にならないということになります。
こういうときには、企業の継続が大事だという意識に捉われ過ぎず、現状を打破し継続的に変化していくというプロセスが必要です。この動的なプロセスを永遠に継続させることが、GCの本質なのかも知れません。